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Grafanaとは

Grafana(読み方:グラファナ)とは、Grafana Labsによって開発されているオープンソースのダッシュボードツールソフトウェアである。ダッシュボードツールとは、様々な方法で取得した情報をひとつの画面上にまとめて可視化するためのツールのことである。

Grafanaでは、簡単に、見やすいダッシュボードを作成することができる。ドラッグ操作でグラフの配置や大きさを変更したり、複数グラフを重ねて表示し、各システムの統計情報を比較したりすることが可能である。Grafanaにより可視化されたデータをダッシュボード画面で確認することで、管理者やオペレータは、統計情報やデータを収集するためのシステム、監視システムなどのリアルタイムな状況を一目で把握することができる。

Grafanaを利用するためには、データを取得するための元のデータベースが必要である。そのため、時系列データを保存するPrometheusや全文検索エンジンのElasticsearchなど、データを収集したり集積するツールとGrafanaを組み合わせて使用する。また、Grafanaは、公式のDockerコンテナを使うことでインストールを簡単に行うことができる。

Grafanaログイン画面

Grafanaログイン画面

Grafanaの特徴

まず最初に、主な特徴を以下で紹介する。

多くのデータソースに対応が可能

Grafanaは、30種類以上の豊富なデータソースに対応しており、複数のデータソースの統計情報を1つのWEBインターフェースに表示して確認することができる。以下は、Grafanaが対応している代表的なデータソースである。

  • Elasticsearch
  • InfluxDB
  • MySQL
  • PostgreSQL
  • Graphite
  • Prometheus
  • OpenTSDB
  • Zabbix
  • AWS Cloudwatch

なおデージーネットでは実際に、NoSQLデータベースのGridDBと連携して、IoTアプリケーションで生成される大量のデータを把握・分析できるシステムを構築した事例がある。

ダッシュボードを簡単に作成できる

現在、ダッシュボードツールはさまざまな場面で活用されている。例として、企業の経営状態や売上、マーケティング効果などのデータをダッシュボードツールを使って可視化することで、リアルタイムな状況をモニタリングすることができる。これにより、数字に基づいた継続的な経営判断を導くことができる。また、近年はクラウドコンピューティングやマイクロサービスの利用拡大が進み、システム構成が複雑化する中、オブザーバビリティに対応したシステムが求められている。ダッシュボードツールはこれを実現するツールとしても効果がある。

Grafanaでは、専用のWEBインターフェースからダッシュボードやパネルの作成を視覚的に行うことができる。グラフや数値、表、テキストといった様々なデータ表示形式があり、マウスの操作で大きさを変更したり表示する場所を自由に変更することができる。また、作成したダッシュボードは保存することが可能である。さらに、Exploreという検索機能を使えば、データの傾向なども確認できる。ただし、グラフタイトルなどに日本語を使うことができるが、表示画面の日本語化はされていない。

dashboard画面のイメージ

dashboard

アクセス制御設定

ダッシュボードでは、アクセス制御を設定することが可能である。グループ単位でのアクセス制限や、読み取り専用ユーザや設定情報の編集可能ユーザなどを設定できる。社内で利用する場合も、ユーザ個人や部署・チーム単位で自由にアクセス制限を設定できるため、重要なデータを扱う場合でも安心して利用することが可能である。

ユーザ画面

ユーザ画面

Grafanaの主な機能

次では、Grafanaの機能を紹介する。

Zabbixとの連携

Zabbixとは、サーバ、ネットワーク環境、アプリケーションを集中監視するための、オープンソースの統合監視ソフトウェアである。統合監視に必要な基本的な監視やログ監視、障害検出、通知機能を備えている。GrafanaとZabbixを連携することで、複数のZabbixサーバの統計情報を1つのWEBインターフェース上で確認することができる。

さらに、Zabbixで取得した統計情報だけを参照できるダッシュボードをGrafanaで作成し、そのダッシュボードだけにアクセスを限定したユーザーを作成することで、Zabbixにログインできないユーザーに対し特定の統計情報だけを公開することも可能である。

プラグイン機能

Grafanaには、公式やコミュニティに多くのプラグインが存在し、これを利用して機能を拡張することが可能である。例えば、以下のようなプラグインを利用することができる。

  • データソースプラグイン

    標準では対応していないデータベースへ接続するためのプラグイン。

  • パネルプラグイン

    データソースクエリによって返されたデータを、マップ・時計・グラフなどの視覚的なパネルに変換してダッシュボードに表示するためのプラグイン。

  • アプリプラグイン

    特別なデータソースを持つアプリケーションにおいて、それぞれの特化型のデータソースとパネルを組み合わせたプラグイン。PrometheusアプリやKubernetesアプリなどがあり、専用のテンプレートを利用することが可能である。これにより、各データソースに合ったダッシュボードを簡単に作成でき、データ分析が行いやすくなる。

アラートの送信

Grafanaではアラートを送信することができるため、トラブルや異常が発生した際にも迅速に対応することが可能である。アラート送信の機能では、すべてのアラートを一つの画面上で作成、管理することができ、アラートを簡単に統合および一元化できる。Graphite、Prometheus、Elasticsearch、InfluxDB、OpenTSDB、MySQL、Postgres、Cloudwatchのデータソースのみがサポートされている。

ダッシュボードの共有機能

ユーザ同士でダッシュボードを共有することができる「Organization」という機能がある。他のユーザにダッシュボードを共有したい場合は、共有したいユーザごとにOrganizationに所属するように追加することが必要である。

デージーネットの取り組み

デージーネットでは、OSSに関する専門的な技術やこれまでの構築実績を活かし、お客様向けに最適なソリューションをご提案している。複数のソフトウェアが必要になるような大規模な監視システムの構築も対応しているが、そのようなシステムではGrafanaなどのダッシュボードツールを利用して、監視システムをより見やすく使いやすくすることをおすすめしている。

実際に、デージーネットが開発したトラフィック監視システム「OpenNFA」や、デージーネットがアプライアンスサーバとして提供している「DMARCレポート可視化ツール」などでは、収集したデータを分かりやすく可視化するためにGrafanaを使用している。今後は、Metabaseをはじめとした他のダッシュボードツールの動向もチェックし、よりお客様の要望にマッチしたソリューションを提案していく。

また、デージーネットで構築したシステムは、導入後の支援としてOpen Smart Assistanceという保守サポートも提供している。Open Smart Assistanceでは、使い方に関するQ&A、障害などの問題発生時の調査、セキュリティの最新情報の提供などを行い、導入後も安心してシステムを運用できるようなサービスを提供している。

なお「Grafana調査報告書」では、より詳細な使い方やインストール方法を掲載している。調査報告書は無料でダウンロードすることが可能である。

【カテゴリ】:システム監視  オープンソースソフトウェア  

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