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ディープラーニングとは

ディープラーニングとは、深層ネットワークを用いた機械学習の手法の総称です。ディープラーニングは、学習を行うために膨大なデータと、学習のための高い演算能力が必要になります。そのため、ディープラーニングの考え方が考案され始めた時代では、実現ができませんでした。

昨今に至り、データを保存するための媒体の低コスト化や、コンピュータのCPU/GPUの処理能力の向上、クラウドインフラの利用の一般化など、ディープラーニングを取り扱うための環境が整いました。

またディープラーニングの理論を、コンピュータ上で実現するためには、プログラム開発が不可欠です。ディープラーニングの複雑な理論をプログラムで実装することは、非常に難易度が高いものでしたが、GoogleがTensorFlowと呼ばれるディープラーニング用の開発ライブラリをOSSで公開したことで、ディープラーニングの利用が広まりました。

ディープラーニングの歴史

ディープラーニングは、ニューラルネットワークと呼ばれる人の脳の特性を模した機械学習手法の応用です。

形式ニューロン

ニューラルネットワークの考え方は、人の神経細胞であるニューロンの仕組みから生まれた、形式ニューロンと呼ばれる考え方が基になっています。形式ニューロンは、複数の入力から1つの出力を行うという特徴があります。この場合の入力と出力を言い換えると、物事を判断するための情報が入力であり、判断結果が出力になります。入出力は0または1で表現されます。また、入力には重みなどの情報の重要度を表す値を付与することができます。

パーセプトロン

形式ニューロンの考え方を応用して、パーセプトロンと呼ばれるニューラルネットワークの一種が考案されました。パーセプトロンとは、形式ニューロンを層にして、複雑な機械学習を可能にしたものです。

当初パーセプトロンは、入力層と出力層の2層からなる構造(単純パーセプトロン)でしたが、構造的な欠陥が見つかり、3層からなる多層パーセプトロンが考案されました。多層パーセプトロンは、単純パーセプトロンの欠点を補うことができましたが、ネットワークが4層以上になると、情報を上手く処理できないという問題がありました。

ディープラーニングの登場

多層パーセプトロンの問題を克服した手法として、制限ボルツマン・マシンと呼ばれる手法が発表されました。この手法により、より深い層のネットワーク(ディープネットワーク)による機械学習が可能となりました。

この手法の発表により、ディープネットワークを利用した機械学習の手法がいくつも考案されました。そして、それらの機械学習の手法を総称したディープラーニング(深層学習)という言葉が生まれました。

ディープラーニングの威力は、画像認識の競技会「ILSVRC(ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge)」において示されました。ディープラーニングを利用したチームが、過去の記録を大きく塗り替えたためです。

画像や動画認識の分野でディープラーニングの有用性が認められるようになり、ディープラーニングに注目が集まるようになりました。

ディープラーニングのネットワークモデル

ディープラーニングのネットワークモデルは複数存在します。現在、よく利用されるネットワークモデルは次の通りです。

畳み込みニューラルネットワーク

畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Networks: CNN)は、画像や動画認識によく利用されているネットワークモデルです。CNNは、CNNより前の画像認識のアルゴリズムでは、人間が画像の特徴を手動で与えていたことに対し、CNNは画像の特徴を自動的に学習するという特徴があります。

再帰型ニューラルネットワーク

再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network: RNN)は、動画・音声・自然言語の処理で成果をあげているモデルです。RNNは、時系列のデータを再帰的に学習することができるという特徴があります。

ただし長期間のデータを上手く扱うことができないという欠点があり、その欠点を補う LSTM(Long short-term memory)という手法が考案されています。

ディープラーニングの用途

既にディープラーニングは、様々な用途に利用されています。

画像・物体認識の分野

  • 手書き文字認識(OCRの精度向上)
  • 自動車の自動運転
  • 医療現場での診察
  • SNSでの自動タグ付け
  • 人間の表情による感情分析

音声・動画認識分野

  • スマートフォンの音声操作
  • 動画の自動編集

自然言語分野

  • AIによるチャットボット
  • 文書やサイトの分類・タグ付け
  • 機械翻訳

ディープラーニングの今後

ディープラーニングを利用した技術は、既に多く開発・利用されています。一方で、より効率的に精度の高い結果を出すことができるネットワークモデルや、今まで解決できなかった問題に対するネットワークモデルも研究されています。ディープラーニングに関連する技術は、未だ発展途上にあるため、今後の経過を注意深く見守る必要があります。

デージーネットの取り組み

デージーネットでは、GoogleのOSSのディープラーニング基盤であるTensorflowなどを用いて、ディープラーニングによる画像解析のシステムを構築しています。また、ディープラーニングをはじめとする機械学習に必要な大量のデータ収集・解析するコンピュータクラスタの仕組み、並列計算のための仕組みなど、機械学習やIoTに必要な基盤をOSSで構築しています。

【カテゴリ】:AI  

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