Excalidrawとは
Excalidraw(エクスカリドロー)とは、Web上で図を作成することができるオンライン図形描画ツールである。MIT Licenseライセンスでオープンソースとして公開されている。Excalidrawは、いわゆるホワイトボードツールの一種で、複数人で画面を共有しながら、共同で図形を描いたり、配置したりといった編集ができる。また、サーバの中にある画像データをExcalidrawのキャンバスに貼り付けたり、Excalidrawで作成した図をダウンロードしたりすることも可能である。
Excalidrawの機能
Excalidrawには以下のような機能が用意されている。
図形の描画
Excalidrawでは、非常に直感的な操作で簡単に図形を描くことができる。Excalidrawでは図形を描画する画面・描画した結果のことを「scene(シーン)」と呼ぶ。画面上部の操作メニューで選択した図形をシーン上に配置したり、PC上の画像をマウスのドラッグ&ドロップで反映したりする操作が基本である。また、画面左のメニューの一覧からは図形の色や線の種類などを変更することができ、線のデザインを手書き風にしたり直線的にしたりすることもできる。
シーンの共有・保存
Excalidrawでは、シーンの共有リンクを発行することができる。このリンクに他のユーザがアクセスすることで、同じシーンを複数人で確認し、共同で編集を行うことができる。また、編集したシーンは保存することもできる。シーンの情報はjson形式のテキストファイルで保存され、再度Excalidrawで開くことで、編集を再開することが可能である。
画像のエクスポート
Excalidrawは、PNG形式/SVG形式で画像をエクスポートしたり、クリップボードに画像をコピーしたりすることができる。さらにオプションとして、背景を透過させたり、PNG/SVG画像にシーンのデータを埋め込むことも可能である。シーンデータを埋め込むことで、Excalidrawで画像の再編集をすることができる。
ライブラリの追加
既存の図形やイメージを使いたいときは、ライブラリから図形を参照し、Excalidrawに追加することができる。画面上の「Library」のボタンから様々なライブラリを選択する方法のほか、ダウンロードしたライブラリファイルをアップロードすることでも図形を追加することができる。なお、ライブラリはインターネット上のサイトを参照している。
利用における注意点
Excalidrawをオンプレミス環境で使う場合、以下のような注意点がある。
- OSS版だけでは全機能を実装することができない
- 複数のコンポーネントの構成方法に関するドキュメントが無いため、仕様変更などの場合、ソースコードを読まなければならない可能性がある
- 認証の仕組みが用意されていない
上記の課題から、組織内の限られたユーザのみが利用する程度であれば可能だが、インターネット上で外部の不特定多数の人が利用するサービスとして扱うのは難しい。
デージーネットの取り組み
デージーネットでは、Excalidrawの便利な用途として、別のアプリに組み込んで利用する方法を紹介している。
例えば、Web会議ツールのJitsi Meetと連携することで、Jitsi Meet上の「WhiteBoard」という機能として、Excalidrawの図形描画の機能を利用することができる。これにより、Web会議で会話をしながら、表示されている図形を他者と共有したり、共同で図形を描画したりすることができる。単体のExcalidrawが持つ機能と比較すると、Jitsi Meet上で使える機能は限られる。しかし、オンプレミス環境でインターネットを利用せずに使用する場合に必要な機能のみに限定されているため、前述したExcalidrawの課題を気にすることなく利用できる。また、Jitsi-Meetのwebsocket通信でデータを暗号化してやり取りするため、Web会議に参加していない第三者が図の内容を盗み見ることはできない。さらに、認証における課題も、Jitsi Meetの会議参加のための認証機能を設定することでカバーすることができる。
Excalidrawのインストール方法やより詳しい使い方は、「Excalidraw調査報告書」および「Jitsi調査報告書」にまとめている。
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