~ポリシーを決めていますか?~
システム管理のつぼ(2016年5月号)
システム設計部 山田 大洋
システムを運用するにあたり、保守作業や業務に関する日常的な作業などシステムに対して作業をする機会は日々発生します。
日々の作業を安全かつ確実に実施するためには、以下についてのポリシーを明確にした上で、運用に携わるメンバー間で共有できていることが重要です。
- 具体的な作業内容
- 実施した手順に対する確認基準
- 作業後の動作確認方法
- 緊急対応方針
- 他システム(または機能)への作業影響
例えば、皆さんが管理・運用しているシステムでは、以下のようなことが起きていませんか?
- 特定のメンバーしかできない作業がある。
- メンバーによって確認内容にばらつきがある。
特定のメンバーしかできない作業がある場合は、そのメンバーが病気などで数日間不在となった場合には作業をすることができません。そのため、作業の遅延などのリスクの要因となります。
また、メンバーが異動となった際など、十分な引き継ぎが行われないことがあります。そういった場合には、今まで行ってきた作業の状況を把握できなかったり、情報が本当に正しいものかの判断ができかったりする恐れがあります。
このような状態ではポリシーをメンバー間で共有できているとは言えません。
メンバーによって確認内容にばらつきがある場合は、作業手順は明らかにできていても、実施した手順に対する確認基準が明確化できていないことが考えられます。
確認基準が明確化できていない場合、作業後の確認がメンバーの判断によって実施されることとなり、確認漏れや作業漏れが発生する要因となります。メンバーによって確認内容にばらつきのある状況では、システムを運用する上で安全性や確実性が確保されているとは言えません。
システムを安全かつ確実に運用するために必要なことは、単に手順だけを明らかにするだけではありません。システムに携わるメンバーの体制や連絡手段などのポリシーが明確化され、メンバー間で共有できていることが重要です。
皆さんが管理されているシステムではポリシーが明確化され、メンバー間で共有できていますか?
一度、日々の作業で使用している手順をこの機会に再確認してみてはいかがでしょうか。