~Hawk - GUIで安全で便利なクラスタ管理~
今月の気になるオープンソース情報(2016年7月号)
OSS研究室 倉田 隆規
今回は、HAクラスタシステムを直感的に管理できるHawk(HA Web Konsole)について紹介します。
Hawkは、Pacemakerを使用して構築したHAクラスタシステムの設定や管理をウェブインタフェースから行うことができるオープンソースソフトウェアです。
Hawkには、以下の機能が実装されています。
- クラスタ状態の確認
- HAクラスタ管理操作(サービス開始/停止、リソースのフェイルオーバー、クラスタノードのスタンバイ/メンテナンス等)
- クラスタリソース・制約・クラスタプロパティの設定
- クラスタの動作やエラーの分析
HAクラスタシステムの操作は、Linuxシステムにログインして管理コマンドを実行することが一般的です。コマンドラインの操作に慣れていない方にとっては難しいという話を聞きます。Hawkを使うと、ウェブインタフェースからHAクラスタの操作を行えるため、コマンドラインの操作に不慣れな方でも、直感的に分かり易く運用・管理を行うことができます。さらに、日本語にも対応していますので、より分かり易く操作できます。
また、Hawkを使うことで安全性を高められます。Pacemakerのアクセス制御機能とHawkを組み合わせて使用することで、Hawkにログインするユーザにいろいろな権限を設定することができます。
例えば、HAクラスタシステムの状態を確認するだけのユーザ、フェイルオーバやフェイルバックの操作を行えるユーザ、HAクラスタの設定変更を行えるユーザ等、ユーザによって権限を決めることができます。そのため、より安全なHAクラスタシステムの運用・管理が行えます。
デージーネットでは、HAクラスタシステムの管理が分かりづらいという方にHawkを提案しています。Hawkは、現在既に稼動しているHAクラスタシステムにも導入することができます。HAクラスタシステムをより安全に管理したい、直感的に操作したい、という方は導入をご検討されてみてはいかがでしょうか。