バックアップはいつ取得していますか?
システム管理のつぼ(2016年10月号)
ソリューション開発部 森 彰吾
今回はバックアップのタイミングについてです。バックアップはデータの特徴によって取得するタイミングが異なります。2つ例を挙げて説明します。
1. 更新頻度の低いデータのバックアップ
更新頻度の低いデータとしてはOSやシステム全体に関連する設定ファイルなどが例として挙げられます。これらのデータは安定稼働した後に変更することはまれです。
タイミングとしては、システムの運用前に全体のバックアップを取得し、大規模なアップデートやメンテナンスの時にバックアップを再取得するのが、最も効果的と考えられます。
2. 更新頻度の高いデータのバックアップ
データベースのデータが例として挙げられます。データベースは数分・数秒単位でデータが変わっていくことが珍しくありません。このようなデータは、日毎や時間毎でバックアップを取得することが必要になります。
一方でデータのサイズが大きい場合もあり、データ全体のバックアップを短いスパンで取得するのが現実的ではないこともあります。データベースのソフトウェアによっては、差分バックアップの機能を持っているものもあります。機能を活用して、フルバックアップを毎月、その後は毎日差分バックアップを取得するという運用も可能です。
ポイントとしては、バックアップのタイミングは、主にデータの更新頻度とデータのサイズに左右されるということです。
データの更新頻度が低いものは、バックアップの頻度を下げても元の状態に戻せる可能性が高いです。しかし、データの更新頻度が高いものは、なるべく新しい状態のバックアップを取得しておかないとデータの損失が大きくなります。ただ、やみくもに短い期間でバックアップを行うと、ディスクを圧迫したり、バックアップ処理によってシステムの負荷が高くなるなどの悪影響が出る恐れがあります。
バックアップのタイミングは、データがどのような特徴を持っているかを検討して、適切な方法とスケジュールを決めて実施することが重要です。
デージーネットでは、ディスクサイズとバックアップ取得時のサイズの増加を検討して、バックアップの方法を提案しています。システムの負荷などサービスに与える影響を確認した上で、影響の少ない時間帯でバックアップを行うようにしています。
安全・安心なバックアップを取得する方法・スケジュールを一度見なおしてはいかがでしょうか?