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ISC DHCPに代わるDHCPサーバ [Kea]

今月の気になるオープンソース情報(2017年8月号)

OSS研究室 大野 公善

オープンソースのDHCPサーバと言えば ISC DHCP が有名です。

ISC(Internet Systems Consortium)がリリースしているDHCPサーバで、インターネットサービスプロバイダや学校等で多く利用されています。1999年にリリースされてから、バージョンアップを繰り返しながら長い間、使われ続けています。そのISCが2015年に新しいDHCPサーバ Kea をリリースしました。

KeaはISC DHCPに代わるDHCPサーバとしてISCが開発を進めており、現在(2017年8月3日時点)では バージョン 1.2.0 がリリースされています。

Keaで利用できるようになった便利なポイントをご紹介します。

サービス断がないので安心

DHCPサーバを再起動することなくサブネットやIPプールの追加・変更を行うことができるようになりました。ISC DHCPでは、DHCPサーバの設定変更を行う時にはDHCPサーバの再起動が必要でした。また、ISC DHCPサーバの再起動はとても時間がかかることがあり、改善したいポイントでした。keaでは、DHCPサーバを停止することなくリロードを行うことができるようになりました。DHCPサーバの管理者にとっては、この改善は嬉しい内容となっています。

外部アプリケーション連携で便利さアップ

バックエンドにリレーショナルデータベースを使えるようになりました。リース情報やホスト毎設定情報をデータベースに保存できます。データベース連携ができるようになったことで、リース情報を簡単に検索できるようになったり、管理用アプリケーションからKeaのホスト毎設定を行うことができるようになったり、とても便利になりました。データベースにはMySQLやPostgreSQLを使用することができます。

大量のDHCPリクエストにも安心

パフォーマンス面でも改善されています。Keaのウェブサイトによると、バックエンドにMySQLを使用した時1000リース/秒を超えるリース処理を行えるということです。たくさんのクライアントを抱えるシステムにおいては、これも嬉しい改善となります。

デージーネットでは、Kea の管理ウェブインタフェース KeaKeeper を作成し、オープンソースとして公開しました。ウェブインタフェースからホスト毎設定やリース情報の検索を行うことができます。Kea + KeaKeeper の構成で、使いやすく便利なDHCPサーバを提案しています。

高速で便利で新しいDHCPサーバ Kea を利用してみてはいかがでしょうか?KeaKeeperもぜひご利用ください。

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