作業の品質を保つために
システム管理のつぼ(2018年7月号)
管理部 運用管理課 倉田 隆規
システムをセキュアに保つためのアップデートや、要件の変更に伴った、システムの設定変更などのために、作業を実施することはよくあります。作業を実施するにあたって、毎回、同じ担当者が作業を行うことで、品質を保つことができます。
ですが、実際は、同じ担当者だけで毎回作業を実施することは困難です。
さらに、作業の担当者が代わることによって、作業毎の品質に一貫性が無くなる可能性もあります。
品質マネジメントシステムの国際規格に、ISO 9001があります。ISO 9001では、下記の項目が定義されており、下記の項目を実施したPDCAサイクルを回すことで、一貫したサービス提供が謳われています。
- 計画
- 運用
- 評価
- 改善
デージーネットでは、計画時に作業のタスクやリスクを洗い出し、作業手順として文書化を行います。また、作業によってシステムに影響を及ぼした際、すぐにシステムを作業前の状態に戻せるように、切り戻し用の手順も作成し準備を行います。作業実施後には、計画通りすすめることができたか、今後注意すべき点がないかを、評価し、作業手順へ反映します。
そうすることによって、次回以降の作業では、改善された内容で作業を実施でき、品質の向上につながります。そして、上記のようなPDCAサイクルの一連の流れを担当者間で共有することによって、作業担当者間での品質を維持できるように努めています。
PDCAサイクルを回し、改善をし、改善した情報の共有を行わないと、過去と同様の誤りを何度も繰り返す、いざというときに素早い対応ができない、ということが起こります。品質の向上のためには、PDCAサイクルを回すこと、品質の維持のためには、情報を共有することが必要不可欠です。
文書化されていない運用方法が習慣化されている、担当者のみが暗黙のルールとして認識している、といったことも、よく耳にします。一度、規格に沿った運用になっているか、情報が担当者間で共有されているか、確認・見直しをされてみてはいかがでしょうか。