システムの期限を確認していますか?
システム管理のつぼ(2018年10月号)
運用管理課 足立 理子
皆さんもご存じの通り、IT業界は多方面で急速に成長しています。そんな業界であるからこそ、普段使っているシステムについても新しいバージョンに対応していく必要があります。
新しいバージョンに対応していくために、まずはお使いのシステムのOSやソフトウェアのバージョンを確認し、該当バージョンのサポート期限を確認する必要があります。中には、OSのサポート期限とソフトウェアのサポート期限が異なる場合もありますので注意が必要です。
古いバージョンを使い続けることで考えられるリスクを3点あげます。
- サポート終了によるリスク
脆弱性が発生した場合に、脆弱性情報や新しいソフトウェアがリリースされず、脆弱性対策ができなくなってしまいます。また、万が一リプレースをしている際に障害が発生しても、サポートを受けることができません。
- セキュリティレベルの低下
バージョンによる依存関係等でリプレースやバージョンアップが困難になることがあります。その場合、サービスが終了するまで、もしくは、ハードが故障するまで、セキュリティレベルの低い状態でシステムを使い続けることになってしまいます。さらには、情報漏洩等の問題が発生した際の信頼喪失、最悪の場合には経営困難に陥ってしまうこともあります。
- 運用メンバーへの負担
実は盲点なのが、運用メンバーへの負担です。古いバージョンを使い続けていると、古いOSやソフトウェアに対応するための技術を習得する必要がでてきてしまいます。新しく入ってくる運用メンバーの負担が増えてしまう上に、古い技術を知らないことによる作業ミス等のリスクが発生します。システムに対するリスクに注目しがちですが、運用しているメンバーに対してのリスクを考えることは実はとても重要なことです。
上記のリスクを防ぐためにも、サポート期限から逆算した長期的な運用計画を立てる必要があります。なお、複数のOSをお使いの場合には、サポート期限が被っていないことを確認することも重要です。同じタイミングで複数のシステムのリプレースを行うことはリスクが伴いますので、リプレースのタイミングも考慮しながら計画を立てていく必要があります。
つい日々の運用に注目しがちですが、将来のことを考えた計画的な運用をしていくことが大切です。そして、計画的に新しいバージョンへ対応していくことが、結果的にシステムの安定稼働に繋がります。
デージーネットでは、1年間に数百台のシステムサポートをさせていただいています。お客様のシステムで脆弱性対策が必要と判断した際には、アップデートの提案、古いOSを使っているお客様には、リプレースの提案をさせていただいています。
安全にシステムを運用していくために、長期的な計画を立ててみてはいかがでしょうか。