NoSQLデータベースのGridDB
OSS研究室 橋本 知里
今回はGridDBを紹介します。
GridDBは、スケールアウト型NoSQLデータベースです。OSSのNoSQLデータベースには、GridDBの他にもCassandraやMongoDBなどいくつか存在しています。その中でもGridDBはビックデータ/IoT向けに特化した、次のような特徴を持っています。
GridDBの特徴
インメモリでの高速処理
NoSQLデータベースは、高速な書き込み・読み出しを特徴としています。GridDBは、可能な限りメモリ上で処理を行う設計になっており、NoSQLデータベースの中でも特に高速に処理を行うことが可能です。また、GridDBではメモリとディスクのハイブリット構成を取っており、インメモリで処理をしつつ、ディスクへデータ更新情報を書き込むことでデータの永続化を行うことができます。
レプリカによる可用性の向上
GridDBは、複数のノードで構成されるクラスタで動作します。また、レプリカを作成し、複数ノードでデータを分散して保持することで、データの可用性を向上させることができます。レプリカの設定により、ノード障害が発生した場合でも、残りのノード上のレプリカを使ってデータへのアクセスを継続することができます。そのため、レプリカ数を増やすことで、多重障害でもデータへのアクセスを継続できるようになります。
キーコンテナ型で一貫性を保持
GridDBは、キーコンテナ型のデータモデルを採用しています。キーとコンテナはRDBのテーブル名とテーブルの関係に相当し、キーによって参照されるコンテナはテーブル表現でデータを管理します。そのため、コンテナ自体を一般的なRDBのように取り扱うことができます。
コンテナタイプには以下の2種類があります。
- コレクションコンテナ
一般型(STRING、INTEGER、LONG、TIMESTAMPのいずれか)のキーを持つデータを管理
一般用途として様々なデータを扱うことが可能 - 時系列コンテナ
時刻型(TIMESTAMP型)のキーを持つデータを管理
大量の時系列のデータを扱うことが可能
つまり、GridDBはNoSQLデータベースでありながら、RDBのようなACID特性をもった厳密なトランザクション処理を行うことができます。これにより、一貫性を保持しながらデータ管理を行うことが可能です。
古いデータの自動削除が可能
さらに、時系列コンテナには「期限解放機能」という特有の機能があります。期限解放機能では、あらかじめデータの保持期間を決めておくことで、期限を過ぎたデータをデータベースから自動で削除できます。利用されなくなった古いデータを操作の対象から外して削除することで、データベースサイズを一定に保ち、データベースサイズ肥大化によるパフォーマンス低下を防ぐことができます。
負荷分散で大容量化にも対応
GridDBのもう一つの大きな特徴は、高い拡張性です。コンテナ単位でデータの一貫性を維持しつつ、サービスや作業を停止させることなく、オンラインでノードを追加することができます。そのため、システム初期稼働時は低コストの最小台数でスタートし、データが増加してリソースが不足した時はノードを増設してスケールアウトすることができます。また、ノードを追加した際、GridDBが負荷バランスの最適化を行います。ノードを増やすことで、システムの負荷に応じて自動でデータを分散配置でき、アプリケーションからの登録や参照などの負荷を分散させることができます。
このような特徴から、IoTアプリケーションで生成される膨大な量のデータを把握・分析するために。効率よく処理するためのデータベースとしてGridDBが適していると言えます。
デージーネットでは
デージーネットでは、GridDBの調査・検証を行い「GridDB調査報告書」をWEBサイトで公開しています。今回紹介した内容の詳細や、GridDBとの比較ベンチマークの結果についても記載しているので、興味のある方はダウンロードして頂ければ幸いです。
デージーネットからのお知らせ
無料資料ダウンロードに【GridDB調査報告書】を掲載しました。
GridDB とは、スケールアウト型NoSQL データベースです。ビックデータであるIoT データに最適なデータベースとして、東芝デジタルソリューションズ株式会社が開発しました。本書はGridDB のインストール方法やGridDB とMongoDB の比較など掲載しています。
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