二要素認証を取り入れたNextcloudファイルサーバの導入事例
ソリューション開発部 丸吉 祐也
今回は、自動車関連会社にファイルサーバのNextcloudを導入した事例です。お客様からは、外部のお客様とのファイルのやり取りをオンラインストレージで行いたいというご要望がありました。クラウドサービスのファイルサーバは安全面に心配があることや価格も高いため、オンプレミスで利用できるシステムを検討していました。
お客様が悩まれていた課題
お客様は以下の内容の課題がありました。
- 外部のお客様とファイルのやりとりするツールがない
- ファイルサーバを安全に外部から利用できるものを探している
- セキュリティ面が不安
デージーネットからのご提案
OSSのファイルサーバのNextcloudを提案
Nextcloudとは、DropboxやGoogle Driveのようなオンラインストレージを構築できるオープンソースソフトウェアです。Nextcloudはオンプレミスやクラウドどちらでも構築が可能です。今回クラウドサービスのファイルサーバは、金額面やセキュリティ面で懸念点があるためNextcloudをオンプレミス環境に構築しました。オンプレミス環境に構築したためセキュリティ面でも安心してやり取りが可能になります。
社員はAD認証+二要素認証を利用
お客様は、社内でWindowsファイルサーバを利用していましたが、外出時には利用ができませんでした。今回外出時に外からもファイルのやりとりを行いたいとのことで、Nextcloudを経由してWindowsサーバにログインすることを提案しました。またセキュリティ面からAD認証にプラスして二要素認証を導入しました。これにより社外からも社内のファイルサーバにセキュアにアクセスできるようになりました。
外部のお客様にはワンタイムURL+パスワードを利用
社外の方ともファイルのやりとりを行えるように、外部のお客様にはパスワードに加えてワンタイムURLを利用設定しました。お客様との共有では、期間も設定できるため安全にファイルをダウンロードすることが可能になりました。
導入の工夫
Nextcloudのプラグインを活用
管理者がどのようなファイルを保管しているのかを確認することができるように、NextcloudのImpersonateプラグインを利用しました。利用したことで管理者がユーザで代理ログインを行えるようになりました。また二要素認証では、Two-Factor TOTP Providerというプラグインを用いてワンタイムパスワードができるようにしました。
システムバックアップ
サーバを納品する前にOSSのRelax-and-Recoverを使用して、システムバックアップを取得しました。またバックアップイメージはメディア(DVD)で納品するようにし、サーバに復旧不可能な障害が発生した場合、バックアップイメージからリストアできるようにしました。またシステムリカバリの手順書も作成しお客様自身で行えるように工夫しました。
導入後の結果
代理ログインが可能になり、利用者がどのようなファイルを保管しているか調べることができるようになりました。また二要素認証を取り入れることによって、NextCloudでのファイルのやり取りをセキュアに保つことができるようになりました。
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