Keycloakを利用したシングルサインオン導入事例
ソリューション開発部 恒川 稜平
今回は、製造業者様にて、Keycloakを利用したシングルサインオンを導入した事例です。お客様のシステムでは、システムごとにアカウントを管理していたため、管理者だけでなくユーザにとっても手間がかかっていました。また、今後もシステムの規模が大きくなり、より管理が煩雑になる可能性がありました。
お客様が悩まれていた課題
お客様は以下の内容の課題がありました。
- システムごとにログインをするのが面倒
- ログインするアカウントはActive Directoryで管理をしなければならない
- 今後もアカウントを連携する対象が増える可能性がある
デージーネットからの提案
デージーネットからは以下の2つを提案しました。
シングルサインオン(SSO)を実現するKeycloakの導入を提案
複数のシステムごとにユーザ管理をする場合、管理者は個別にIDやパスワードを管理する手間がかかるだけでなく、個人情報の漏洩やセキュリティリスクなどの恐れがあります。また、お客様は、ログインするアカウントをActive Directoryで管理する必要がありました。そこで、Keycloakを利用したシングルサインオンのシステムを提案しました。
Keycloakとは、Webインターフェースでシングルサインオンを実現する、Javaベースの認証ソフトウェアです。Active Directoryと連携することが可能です。Keycloakと他のシステムで連携の設定を行い、Keycloakの画面で認証に成功すると、両方のシステムにログインした状態になります。つまり、Keycloakによる一度の認証だけで、他のシステムを利用することができます。
運用手順書の作成を提案
今後も連携する対象システムが増えることを想定して、運用手順書をお渡しすることを提案しました。手順書では、今回のシステムを実装するために設定したKeycloakの設定をマニュアル化しました。
導入時の工夫
導入にあたって以下を工夫しました。
連携するシステム側のシングルサインオン認証設定
連携対象のシステム側にもシングルサインオンの設定が必要でした。それぞれのソフトウェアで設定方法が異なるため、対応可能なソフトウェアを導入しました。
Keycloak側でのLDAP連携
Keycloak側でActive Directoryと連携をする際、他のシステムで利用する属性の定義を行ってから連携をしました。
導入後の結果
デージーネットが別件で構築したオンラインストレージのNextcloudなど、複数のシステムでシングルサインオンが可能となり、ユーザ管理を一元化することができました。また、Active Directoryと連携することで、Active Directory内の特定の属性とパスワードを使って、各システムへログインすることができるようになりました。さらに、導入時の設定をマニュアル化し、お客様に説明を行いました。それによって、実際に何を設定し、どこで属性を定義しているのかなどを理解していただき、今後連携先が増えた場合も対応いただけるようになりました。
関連ページ
構築事例:Keycloakを利用したシングルサインオン認証サーバの導入
システムごとにアカウントを管理していたため、管理者だけでなくユーザにも管理の手間がかかっていたお客様に、OSSのKeycloakを利用したシングルサインオン(SSO)システムを導入した事例についての記事です。
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