Pleasanterのワークフロー機能
OSS研究室 加茂 智之
Pleasanterとは、ローコード開発プラットフォームのオープンソースソフトウェアです。
Pleasanterのバージョン1.3では、「プロセス機能」が実装されました。このプロセス機能を使って、ワークフローのような状態遷移をともなうアプリを、Webブラウザ上で簡単に開発することができます。
今回は、Pleasanterのプロセス機能を利用した、ワークフローアプリの作成について紹介します。
ワークフローアプリを導入するメリット
ワークフローとは、ある業務が遷移する流れのことを指します。
ワークフローでは、「誰が何を起案し、承認・確認し、決裁・意思決定するか」といったステップを予め定めておきます。そうすることで作業の抜け漏れを防ぎ、適切な承認を得た上で業務を完了することができます。
例えば、社内の稟議書の申請におけるワークフローでは、以下のような流れが想定されます。
- 金額が5万円未満の場合
申請者(申請)→経理部(チェック・承認)
- 金額が5万円以上の場合
申請者(申請)→上司(チェック・承認)→経理部(チェック・承認)
このように、ワークフローは内容や条件によって、流れが変化したり承認が増えたりする場合があります。
ワークフローアプリを使って作業を進めることで、紙の申請に比べ、決裁までにかかる時間や手間を削減することができます。また、申請ルールが順守され、内部統制の強化やミスの防止にも繋がります。
さらに、ワークフローが見える化されることで、メンバーが進捗状況を確認でき、業務の停滞を防ぐことができます。
Pleasanterとは
Pleasanterとは、ローコード開発プラットフォームのオープンソースソフトウェアです。データベースを使用するアプリケーションを、Webブラウザ上で作成することができます。
Pleasanterでは、顧客管理や案件管理、問い合わせ管理など、用途別のテンプレートが豊富に用意されています。
Pleasanterの特徴や詳しい機能については、以下で紹介していますのでそちらもご参照ください。
Pleasanterを使ったワークフローアプリの作成
Pleasanterのプロセス機能を使用して、以下の方法でワークフローアプリを作成することができます。
遷移図の作成
まず初めに、アプリを作りやすくするため、ワークフローの設計時に遷移図を作成することをおすすめします。
遷移図では、「起票」「課長承認待ち」「完了」などの状況を設定し、各状況を「申請」「承認」「差し戻し」などの矢印で繋ぎます。
プロセスの定義
プロセス機能では、遷移図の矢印に相当する処理を「プロセス」として定義することができます。このプロセス機能を使って、テーブル内の「状況」の項目を利用して、特定の状況から状況へと移行するプロセスを定義します。
プロセスを定義すると、アプリの画面にはプロセスを実行するためのボタンが表示されます。ユーザは、必要項目を入力後、このボタンをクリックすることによりプロセスを実行できます。
なお、実際にユーザが状況から状況へ遷移する際は、必須項目が入力されているかを検証したり、項目の内容の書き換えを行ったりすることができます。
アクセス制御を設定
ワークフローを実行する場合、データの更新・閲覧やプロセスの実行に対しアクセス制御が必要です。例えば、申請前にデータを変更できるのは申請者だけ、申請内容を閲覧できるのは同部署のメンバーと経理部のメンバーだけ、承認を実行できるのは管理者だけ、といった場合があります。
データの更新・閲覧に対するアクセス制御は、Pleasanterの「サイトのアクセス制御」や「レコードのアクセス制御」機能で設定することが可能です。プロセスの実行に対するアクセス制御は、プロセスの定義内で設定することが可能です。これらを組み合わせて必要なアクセス制御を設定します。
技術者でなくてもワークフローアプリの開発ができる
簡単なワークフローであれば、Pleasanterの機能を利用することで、ブラウザ上の操作のみでアプリを作成することが可能です。通常のアプリ開発で必要なコードの記述などは、一切不要です。
なお、Pleasanterの標準機能のみでは実現できない、より複雑なアクセス制御や条件分岐などを設定したい場合は、「サーバスクリプト」機能を用いて JavaScriptのコードを併用することもできます。
デージーネットの取り組み
デージーネットでは、Pleasanterのプロセス機能を用いたワークフローアプリを実際に作成し、作成手順の概要をまとめ、調査報告書として公開しています。調査報告書は以下から無料でダウンロード可能です。
「Pleasanterによるワークフローアプリ作成調査報告書」へ
今後は、ワークフローなどの業務アプリを開発したいお客様には、ブラウザ上でアプリ開発ができるPleasanterをご提案してまいります。
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