Nextcloudのバージョンアップと既存データの移行事例
ソリューション開発部 丸吉 祐也
今回は、製造業者様にて、オンラインストレージシステムのNextcloudのバージョンアップを行った事例です。Nextcloudとは、オープンソースのオンラインストレージです。ファイル共有やバージョン管理、予定の共有など、様々な機能を備えています。お客様は、ファイルの受け渡しにNextcloudを利用していましたが、サーバの更改時期に伴いリプレースを検討していました。バージョンアップを行うと同時に、現サーバから新サーバへ膨大なデータを移行する必要がありました。
お客様が悩まれていた課題
お客様は以下の内容の課題がありました。
- 現行サーバの更改時期が来ているが、バージョンアップ方法が分からない
- データの引継ぎ方法が分からない
- Nextcloudの管理画面で警告文が表示されているが、対処方法が分からない
デージーネットからの提案
デージーネットからは以下の2つを提案しました。
現行システムを極力止めないデータ移行の方法を提案
ファイルの総容量が多くありましたが、最終同期時間を短くするため、以下の流れで作業を実施することを提案しました。
- 現サーバを稼働させて既存データをコピー
- 切替直前にデータの差分を同期
- Nextcloudバージョンアップと切替作業を実施
新サーバ内に検証用と本番用のNextcloudを同居させることを提案
Nextcloudは定期的にバージョンアップを行う必要があります。しかし、本番用の環境をバージョンアップすると業務に影響が出る可能性がありました。そのため、検証用の環境でバージョンアップを行い、問題がないかを確認してから、本番環境のバージョンアップが実施できるよう環境を整えました。
導入時の工夫
導入にあたって以下を工夫しました。
切替リハーサルで、既存データを利用した動作確認
検証用の切替リハーサルでは、実際の既存データのコピーを利用しました。既存データのコピーは、夜間に自動で行われるよう設定しました。そのため、本番の切替作業前に、どのような問題が発生するのか、どのような対処をすればよいのか、事前に把握することができ、本番の作業ではスムーズに移行作業を行うことができました。
連携するシステムの動作確認は切替前に実施
新サーバから、既存のファイルサーバを参照する機能が加わりました。そこで、切替前に既存ファイルサーバのデータが参照できるのか、事前にテストを実施してから切替作業を行いました。
導入後の結果
切替作業の前に、既存データのコピーとデータの差分同期を済ませたことで、最終同期にかかる時間を短縮し、1日の中で切替作業が完了しました。また、切替リハーサル時に既存データを利用して動作確認を行ったことで、想定通りにデータの引き継ぎができ、新しいバージョンのNextcloudも無事稼働することができました。そのため、切替後もすぐに使える状態となり、現状も問題なく動作をしています。新サーバから追加したファイルサーバを参照する新機能も、便利に利用することができています。
関連ページ
構築事例:オンラインストレージNextcloudサーバの移行
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