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Kubernetes+Rocket.Chat検証環境の構築事例

ソリューション開発部 小泉 麦

今回は、IT企業様向けに、コンテナ管理ツールのKubernetes(以下k8s)と、ビジネスチャットツールのRocket.Chatを組み合わせた検証環境を構築した事例です。お客様が利用していたRocket.Chatはユーザ数が多く、システム構成も古かったため、コンテナ上での運用を検討していました。しかし、k8sに関する知見が無かったため、デージーネットに検証環境の構築のご依頼をいただきました。

お客様が悩まれていた課題

お客様には以下の課題がありました。

  • 社内で利用中のRocket.Chatのユーザ数が多く、現在のレガシーな構成では危険がある
  • そこでk8sを使ってコンテナ上でRocket.Chatを構築したいが、検証するための環境がない
  • k8sに関連する技術に対する知見が不足している

デージーネットからの提案

デージーネットからは以下の3つを提案しました。

k8s+Rocket.Chatの検証環境の構築

k8sは、複数のコンテナを連携させ、管理・冗長化を行うことができるコンテナのオーケストレーションツールです。CRI-O、Docker Engineなど様々なコンテナランタイムを使用することができます。

今回、コンテナ上にRocket.Chatを構築するにあたり、まずはお客様が用意したCentOS7のサーバに、k8sの検証用環境を導入することを提案しました。その後、導入したk8s環境にRocket.Chatの構築を行うようにしました。

Rocket.ChatとGraylogの連携ツールの導入

今回の要件には、Rocket.Chatで誰がいつ発言したかなどのログを収集することも含まれていました。そこで、Rocket.ChatとGraylogを連携させて、Rocket.Chat上の会話ログの収集・検索ができるツールの導入を提案しました。

Graylogは、様々な形式のログの収集・管理ができるOSSです。ログを解析し、フィールドを分解して保存することができるため、高い検索性能を持っています。また、システムに異常が発生した際にアラートを送信する機能もあります。

手順書作成と説明会の実施

検証環境の構築にあたり、k8s、Rocket.Chat、Graylogの手順書をそれぞれ作成することを提案しました。また、手順書の提示だけでなく、作成した手順書の説明会も実施し、質問の回答および修正を行いました。

導入時の工夫

導入にあたって以下を工夫しました。

まずはデージーネット社内で同じ構成の環境を作成

Rocket.Chatの本番環境はお客様にて構築を行うため、その際に必要な知識を提供することを目標としました。そこで、デージーネットの社内環境で事前に検証を行い、うまくいかなかった点を洗い出しました。事前にこれらを共有したことで、お客様が本番環境を構築する際に参考となる情報も提供することができました。

手順書にはコマンドの実施理由も記載

ソフトウェアの導入手順をまとめる際に、なぜその手順が必要であるかなどの調査まで行い、手順に記載しました。これにより、お客様が実際に構築・運用をする際の参考になる情報を提供することができました。また、手順内で作成するファイルの内容や参考元も記載することで、お客様が不安を持たれていたk8sに関する応用知識も提供することができました。

導入後の結果

検証環境を構築したことで、ユーザ数の多いRocket.Chatの運用に必要な安定した環境を提供することができました。また、Graylogを連携させたことで、チャット上の会話のログも素早く検索できるようになっています。さらに、手順書作成と説明会の実施により、k8sの導入に必要な手順の全体像をお客様に伝えることができました。導入後のk8sの管理画面やGraylogの画面を実際に操作しながら説明し、本番環境導入後にどのような機能が使えるかのイメージも伝えることができました。

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