Web会議システムの運用課題を解決!JitsiMeetの監視設定を公開
経営企画室 OSS企画チーム 森 彰吾
今回は、Web会議システム「Jitsi Meet」の運用に役立つ、監視データを取得するための設定について紹介します。この設定を行うことで、Jitsi Meetの利用状況を手軽に確認でき、Web会議が繋がらないなどのトラブル発生時、原因究明・問題解決を迅速に行うことができます。
Jitsi Meetとは
Jitsi Meetは、ネットワークを介してWeb会議を行うことができるオープンソースソフトウェアです。機能的にはZoomやTeams、Google Meetと同じように利用できますが、これらのクラウドサービスとJitsi Meetには次のような違いもあります。
- オンプレミス環境で利用が可能
- 閉域ネットワーク内でも動作可能
- ユーザ数等のライセンスコストが不要
Jitsi Meetの利用と運用課題
Jitsi Meetは、比較的手軽に構築して利用を開始できます。ただ利用するだけであれば、Linuxやコンテナ等の基礎知識があれば、数時間程度の準備時間で利用することも可能です。また、一般のユーザ側も、WebブラウザでJitsi MeetのURLにアクセスし、会議室の名前を入力するだけでWeb会議を始められるため、利用ハードルは高くありません。このようにJitsi Meetは、全体として非常に簡単に利用できるようになっています。
一方で、Jitsi Meetは管理面で少し煩雑さを伴います。複数に渡るコンポーネントのログや、システムの状態など、日常的に気にすべき点が多くあるためです。中でも、Jitsi Meetの動作を左右するネットワーク使用量は、管理者が最も確認を必要とする部分です。ネットワークの品質や帯域幅が低い場合は、会議室や参加者の数、ビデオのON/OFFなどの状態を調整する必要があります。しかしながら、Jitsi Meetだけでは、これらの情報を手軽に確認することはできません。
APIとZabbixで、統計情報の取得を簡便化
Jitsi Meetを構成するコンポーネントの一部に、Jitsi Meet全体の会議室の数や参加者数などの情報を取得するためのAPIが付属しています。このAPIを利用することで、APIで取得した時点での統計情報を取得することができます。ただ、この統計はあくまでその時点での情報であるため、過去の情報は取得できません。過去の情報を知るためには、定期的に情報を記録して残す必要があります。
そこで、Jitsi Meetの統計情報を継続的に記録・可視化・監視する方法として、監視ソフトウェアのZabbixを活用することができます。Zabbixで定期的に会議室や参加者の数、転送ビットレートなどの情報を記録することで、グラフで過去の状態を知ることができます。これにより、Web会議が開催できないなどのトラブル発生時、他の会議室や参加者、トラフィックの情報から、問題の原因を絞り込むことができます。
Zabbixの設定方法
ZabbixでJitsi Meetの統計情報を取得・可視化する設定では、多くの統計項目の定義が必要です。ただ、これを1つ1つ設定していくのは非常に手間がかかります。また、サードパーティ製のJitsi Meet用にZabbixの設定テンプレートも公開されていますが、現状ではZabbix/Jitsi Meetのバージョンが合わず、上手く利用することができません。そこでデージーネットでは、Zabbixの設定テンプレートを修正し、新たにGithubで公開しました。またそれに伴い、設定方法に関するマニュアルも弊社ホームページにて公開しました。
既にZabbix/Jitsi Meetを利用している環境であれば、比較的簡単に情報の取得を開始できるので、今後の運用を便利にするためにご活用いただけます。
デージーネットでは
デージーネットでは、Jitsi MeetやZabbixの構築サービスを提供しております。特にJitsi Meetは、自治体様を中心とした多数の導入実績もございます。今後は、今回紹介したテンプレートを活用した情報取得・監視も含め、包括的な提案・構築・保守を行ってまいります。現状のJitsi Meetのリプレイスや、監視の強化などをご検討中の場合は、お気軽にご相談ください。
関連ページ
Jitsiの統計情報
Jitsi Meetには、全体の会議室の数や参加者数などを取得するためのAPIがあります。このAPIを利用すると、Jitsi Meetの統計情報の閲覧が可能です。OSSの監視システムZabbixと連携することで、過去のWeb会議の統計情報を閲覧することができます。
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