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コンテナを利用したFessサーバの構築事例

ソリューション開発部 上野 貴博

今回は、お客様の全文検索システムで利用しているFess/Openserchを最新バージョンにアップデートした事例です。稼働中のシステムへの影響を最小限に抑えつつ、アップデート作業をスムーズに行うため、Docerコンテナを用いた導入を提案しました。

お客様が悩まれていた課題

お客様には以下の課題がありました。

  • Fess/OpenSearchのアップデートが複雑で、アップデート後に既存システムに影響を与えるリスクがある
  • 移行作業に手間やコストはあまりかけられない
  • カスタマイズされたFessをトラブルなく移行できるか不安

デージーネットからの提案

お客様が利用していたFess/OpenSearchは、アップデート内容が複雑であったため、バージョンアップ作業によって既存システムに影響が出る恐れがありました。また、アップデート手順で再インストールと設定移行が必要で、移行作業にかかる手間や時間、コストが大きな懸念となっていました。そこでデージーネットからは以下の2つを提案しました。

コンテナ環境へのFess/OpenSearchの導入

導入コストや作業負担を抑えるため、Dockerコンテナを使用することを提案しました。コンテナは、アプリケーションとその他のライブラリ等を1つのパッケージ(イメージ)としてまとめるため、サーバ環境が異なる場合でも一貫性のあるセットアップが可能となります。そのため、従来のサーバごとに設定作業を行う場合に比べて迅速に導入でき、作業時間やコストの削減、バージョン管理が容易になるというメリットがあります。

さらに、コンテナを利用すれば、ホストOS側のバージョン変更なしで最新のソフトウェアを使用することができます。具体的には、コンテナ内で最新のパッケージを使用できるため、必要なアプリケーションだけを最新バージョンで運用することが可能です。これにより、システム全体の安全性やパフォーマンスを保ちながら、より快適な運用が実現できます。

あらかじめコンテナイメージを作成

今回は、稼働中のシステムのアップデートを行う必要がありました。また、Fessは一部カスタマイズされていたため、再設定や環境による想定外のエラーが発生することも考えられました。万が一トラブルが発生した場合、作業コストが増えるだけでなく、既存サービスの停止等の大きなリスクがあります。

そこで、必要な設定をまとめたコンテナイメージをあらかじめデージーネット社内で作成してから、導入作業を行うことを提案しました。これにより、切替の作業量を大幅に減らし、設定作業時のエラーやトラブルも発生しにくくなります。

導入時の工夫

導入にあたって以下を工夫しました。

事前の設計・手順検証

移行作業をなるべく簡略化するため、事前に既存サーバの設定状況を詳細に調査し、Dockerコンテナに適用するための最適な設計を行いました。また、社内環境で設定や手順を徹底的に検証することで、作業時の想定外のトラブルを減らし、短時間で確実に動作確認を終えられるよう準備しました。

並行稼働のための段階的導入

メモリ使用のチューニングを実施し、新旧Fessサーバを並行稼働させながら移行できるようにしました。仮に切替後に問題が発生しても、旧サーバに戻すことで既存サービスの停止を回避し、スムーズな運用移行が行えるよう配慮しました。

導入後の結果

Dockerコンテナを用いた新しいFessサーバの導入により、作業負担が大幅に軽減され、移行がスムーズに進みました。また、新旧サーバの並行稼働により、切替のリスクを抑えながら導入を完了でき、サービスの停止も最小限に抑えられました。なお、Fessのインデックスデータは移行せず新サーバで再構築したため、パフォーマンスも向上し、管理のしやすさも大きく改善しました。こうしてFessとOpenSearchをバージョンアップしたことで、最新のセキュリティ対策やパッチが適用され、不具合の修正も反映することができ、システムの安定性が向上しました。

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