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RHEL10でも採用か?ISC DHCPに代わるDHCPサーバ〜Kea〜

経営企画室 OSS企画チーム 恒川 稜平

今回はISC-DHCPに代わるDHCPサーバとなる「Kea」についてご紹介します。

Keaとは

Keaは、オープンソースソフトウェアのDHCPサーバです。DHCPサーバとは、ネットワークに接続する機器に、IPアドレスやルーティングなどの必要な情報を自動的に割り当てる機能を提供するサーバのことです。Keaを導入することで高い性能のDHCPサービスを提供できるように設計されています。

同様にオープンソースのDHCPサーバとしてはISC DHCPがあり、現在も広く利用されています。しかし、2025年半ばに一般提供を予定しているRed Hat Enterprise Linux10 (以下RHEL10) に先駆けてリリースされたベータ版では、ISC DHCPは標準パッケージではなくなり、Keaが標準パッケージとなっています。このことから、RHEL10も同様に、Keaが標準パッケージになると予想をしています。

Keaの特徴

Keaには、次のような特徴・機能があります。

設定反映時のサーバ再起動が不要

ISC DHCPでは、サブネットやIPプールの追加・変更などの設定を反映する際にサーバの再起動が必要でしたが、KeaではDHCPサーバを停止することなく反映が可能です。そのため、サービス無停止で安定稼働させる運用が可能です。

API連携が可能

Keaでは、control agentと呼ばれるサービスによって、REST APIの機能を提供しています。REST APIを利用することで、外部プログラムからKeaを操作することが可能となり、システムを簡単に拡張することができます。

例えば、管理UIの開発、DHCPシステムの調査や更新など、様々な場面でAPIを活用することができます。

データベース連携

Keaは、用途に応じてリースファイルの保存先を選択することができます。メモリファイルデータベースやMySQL、PostgreSQL等のリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)を選択できます。この機能を利用することで、リースファイルを検索・表示するためのアプリケーション等を容易に作成することができます。

今後の動向

長い間、DHCPサーバのソフトウェアとしてはISC DHCPが主流となっていましたが、RHEL10からKeaが主流になってくることが予想されます。現在はまだISC DHCPも多く利用されていますが、設定の変更やサブネットの追加などをサービス無停止で行えるKeaに変更する流れも、今後増加することが見込まれます。

デージーネットでは

デージーネットでは、2017年にKeaのWEBフロントエンドとなる「Kea Keeper」をオープンソースソフトウェアとして公開し、実際にKeaの提案・構築を行っている実績もあります。「Kea Keeper」も含めて導入費などのご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

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DHCPサーバのソフトウェアとして、Red Hat Enterprise Linux10のベータ版では、ISC DHCPは標準パッケージではなくなり、Keaに変更されています。今後は、Keaが主流になってくると予想されます。ここでは、DHCPサーバのKeaについて紹介します。

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