- Firezone
〜ソフトウェアVPNのWireGuard管理ソフト〜 - ここでは、WireGuardの課題を解決するVPN管理ソフトウェア「Firezone」を紹介します。
- Firezone管理者マニュアル
- デージーネットで作成しましたFirezone管理者マニュアルです
- Firezone利用者マニュアル
- デージーネットで作成しましたFirezone利用者マニュアルです。
1. 概要 一覧へ 3. Firezoneへのログイン方法
本章では、Firezoneの基本的な利用フローの解説を行います。
Firezoneのデフォルト設定からVPN接続までの流れの理解を目的としているため、シンプルな構成で解説を行います。 各設定の詳細については、マニュアルの各設定の章を参照してください。
Firezoneを使ったVPN接続までの流れは以下のようになります。
Firezoneでは、1人のユーザに対して、複数のデバイスを紐付けることができます。 VPNの設定は、デバイス毎に発行することになるため、ユーザがVPN接続に利用するデバイスを明確に分ける運用が可能です。
Firezoneでは、ユーザがWEB UIから自身のデバイスを追加・削除することができます。 ユーザに与えるの権限によってできることが変化するため、様々な運用が可能です。 詳しくは 一般ユーザーに許可する権限を設定する を参照してください。
Firezoneは、WEBブラウザから利用することができます。
WEBブラウザからFirezoneのURLにアクセスします。 接続する際には、Firezoneに接続するためのURL情報が必要です。
アクセスに成功するとログイン画面が表示されます。
Sign in with email
をクリックすると、ログイン情報を入力する画面が表示されます。
管理者のメールアドレスとパスワードを入力しログインを行います。
設定を行う前に、設定の意図を解説します。 Firezoneは、WireGuard VPNの設定を自動生成する機能を持ちます。 これはWireGuardの設定が比較的難しいためです。
次は、WireGuard VPNの設定ファイルの例です。
[Interface]
PrivateKey = jQoRSAIMOIE0oZAVMpUGjpbnueVx44W+EqpFwubw3NY=
Address = 172.16.100.10/32
DNS = 172.16.100.1
MTU = 1280
[Peer]
PresharedKey = 0hQXvYMTm3aGR6ly9n4sYHA0cLWMy1gg+wA7gHEIFMo=
PublicKey = 2RKJ5MSvFLqhZwFjMFEo7zR0kyMXGXeJ2oWQt0o23BQ=
AllowedIPs = 172.100.0.0/24
Endpoint = 10.1.4.152:51820
各項目の意味は次の通りです。
一般のユーザは、このファイルをWireGuardのクライアントソフトウェアに インポートすることで、VPNの設定を行います。
生成した構成ファイルの具体的な利用方法については、 VPN接続の確認を行う を参照してください。
ただ、この設定ファイルを管理者が毎回作成し、管理し続けるのは非常に困難です。 このため、Firezoneでは日常的に変更の必要が無い項目を、デフォルト設定として登録できるようになっています。 また、内部的に利用するだけの値は、Firezoneが隠蔽し、設定の必要がない項目も存在します。
ここでは、VPN接続のデフォルト値となる基本設定の設定方法について解説します。 この設定は必要に応じて変更するもので、毎回設定する必要はありません。
デフォルト値を設定できる項目は以下の通りです。
- VPN接続時に通信可能なネットワーク
- VPN接続時のDNSのレゾルバ
- Wireguardサーバ
- クライアントからのキープアライブパケットの送信間隔(秒単位)
- WireGuardネットワークのMTU
VPN接続のためのデフォルト設定を行うには、左メニューの Default
のボタンを押します。
クライアントのデフォルト設定画面が表示されます。
設定する項目は次の通りです。詳細は各章を参照してください。
設定後、 Save
ボタンをクリックすると、設定が保存されます。
Wireguardサーバを指定します。通常変更の必要はありません。
ここまでで、VPN接続のためのFirezone側の初期設定を行いました。 続いて、ユーザーを追加し、実際にVPN接続ができるところまでを確認します。
まずはユーザーを追加します。
ユーザーを追加するには、左メニューの Users
をクリックし、
ユーザー一覧の一番下にある Add User
ボタンをクリックします。
表示された入力フォームに、追加するユーザーのメールアドレスとパスワードを入力します。
入力後、 Save
をクリックします。
ユーザーが登録されると、詳細画面が表示されます。
これでユーザー追加は完了です。
続いて、デバイスの設定を行います。
Firezoneでは、VPNの接続設定はユーザー単位ではなく デバイス という単位で管理します。このため、実際のVPN設定はユーザーに紐づくデバイスとして追加していきます。
デバイスを追加するには、左メニューの Users
をクリックし、デバイスを追加したいユーザーを選択します。
ユーザーの詳細画面中央にある Add Device
をクリックします。
表示された入力フォームに、デバイス情報を登録します。
Allowed IPs
以降のデバイス情報のデフォルト値は、 WireGuard VPNのデフォルト設定を行う で設定した値が適用されます。
デフォルト値を利用する場合は、そのまま Generate Configuration
ボタンをクリックします。
デバイスが追加されると、WireGuardクライアント用の構成ファイルが生成されます。
Download WireGuard Configuration
をクリックすると、WireGuardクライアント用の構成ファイルをダウンロードできます。
これでデバイスの追加は完了です。
ダウンロードした構成ファイルは、VPN接続を行う機器にインストールされているWireGuardクライアントに登録します。 構成ファイルの登録から、VPN接続までは VPN接続の確認を行う を参照してください。
Firezoneで生成した構成ファイルを使って、VPN接続の確認を行います。
構成ファイルはWireGuardクライアントに登録する必要があります。 まずは、VPN接続を行う機器にWireGuardクライアントをインストールします。
ここでは、Windows PCからVPN接続の確認を行う例を用いて解説します。
まず、Windows PCでWireGuardを利用するために、公式サイトからWireGuardのソフトウェアをダウンロードし、インストールを行います。
インストールすると、WireGuardが自動的に起動します。
ファイルからトンネルをインポート
をクリックし、
Firezoneで生成した構成ファイルを、WireGuardクライアントに登録します。
登録が完了すると、WireGuardクライアントにVPN接続の設定が追加されます。
有効化
ボタンを押すと、VPN接続が開始されます。
VPN接続ができることを確認してください。 これでWindows PCからのVPN接続と確認は完了です。
ここでは、iPhoneからVPN接続の確認を行う例を用いて解説します。
まず、iPhoneでWireGuardを利用するために、AppStoreからWireGuardのアプリをインストールします。
インストールすると、WireGuardが自動的に起動します。
Firezoneで生成した構成ファイルを、WireGuardクライアントに登録するため、 Add a tunnel
をタッチします。
構成ファイルの登録方法を選択する画面が表示されます。
ここでは、QRコードを使って登録を行います。
Create From QR code
をタッチし、QRコードを読み取ります。
読み取りに成功すると、VPNの名前を設定するフォームが現れるので任意の名前を入力します。
登録が完了すると、WireGuardアプリにVPN接続の設定が追加されます。 トグルをタッチし、有効にすると、VPN接続が開始されます。
VPN接続ができることを確認してください。 これでiPhoneからのVPN接続と確認は完了です。