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メールサーバのクラスタ化
メールサーバのクラスタ化
クラスタ化の概要
メールサーバは、コミュニケーションツールとして、ビジネスではなくてはならないものになっています。クラウドサービスなど、外部のサービスを利用することもできますが、ビジネスの重要な機密情報や顧客情報などが含まれている可能性もあり、自組織内に置いておいた方が安全と考える組織がほとんどです。
クラスタ化のポイント
メールサーバをクラスタ化する場合には、次のような点を考慮する必要があります。
データ共有の方法
メールのデータをクラスタのノード間で共有する必要があります。
管理情報の共有
ユーザ、パスワード、メールアドレスなどの管理情報を共有する必要があります。パスワードファイルで管理すると、クラスタノード間で共有することができないためです。
メール利用者の規模
利用者の規模に応じて、システム構成を変える必要があります。
クラスタシステムの構築例
メールサーバは、システムの利用者がそれほど多くない場合にはHAクラスタの仕組みを使って冗長化します。次は、一般的な構成例です。
- メールのデータは、DRBDを使ってクラスタノード間でミラーリングします。
- ユーザ、パスワード、メールアドレスなどのユーザ管理情報は、LDAPサーバを使って管理します。
- LDAPサーバ上のユーザ管理情報は、管理用GUIなどを使って管理します。
なお、利用者が多く、1セットのHAクラスタではパフォーマンス不足の場合には、ロードバランサーとNFSサーバを使ってシステムを構築します。
OSSでクラスタ化するメリット
メールサーバを組織内に配置する場合には、Microsoft Exchangeなどのソフトウェアを使う方法と、アプライアンスサーバを利用する方法があります。こうした製品に比べて、OSSで構築する場合には多くのメリットがあります。
OSSがスタンダードである
メールは、インターネット上では完全に標準化された最も基本的なサービスの一つです。そのため、メールサーバソフトウェアのシェアは、90%以上がオープンソースソフトウェアです。通信相手もオープンソースソフトウェアですので、製品よりも相互接続性の点で優れています。
ライセンス費用が不要
多くの製品がユーザ数に応じたライセンス制を採用していて、非常に高価です。OSSを使ってメールサーバを構築することで、ライセンス費用が不要です。
冗長性が確保できる
Pacemakerなどのクラスタソフトウェアを使うことで、コストを抑えながら冗長性も確保することができます。
サポートも受けられる
RedHat Enterprise Linux、SuSE Linux Enterprise Server、DesigNET Open Smart Assistanceなどのサポートを活用することで、メールサーバシステム全体のサポートを受けることもでき、製品と遜色ないサービスを受けることができます。
クラスタ化の注意事項
WEB-DBのシステムをクラスタ化する場合には、次のような点に注意する必要があります。
- 大量にメールを受信したときなどに、パフォーマンスが低下することはクラスタシステムでは避けられない。
- ウイルスチェックやSPAM対策など、メールサーバ以外の部分も考慮してシステム構成を作る必要がある。
- メールのログが2つのサーバに別々に保管されるのは不都合な場合があり、管理方法を十分に検討する必要がある。
- ディスク容量を十分に確保しておく必要がある。
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その他の構築事例
- メールサーバのクラスタ化
- メールサーバの停止は、ビジネスの停止につながるリスクがあります。クラスタ化することで、メールサーバが停止するリスクを最小限に抑えることができます。
- WEB-DBサーバのクラスタ化
- OSSのクラスタソフトウェアとデータベースソフトウェアを効果的に組み合わせることで、WEB-DBサーバを冗長化することができます。
- NFSサーバのクラスタ化
- NFSサーバを冗長化しないと、NFSサーバがシステム内の単一障害点になってしまいます。そのため、共有ファイルシステムを構築する時は、冗長性を確保することがとても大切です。
- AWS上でのクラスタ化
- AWSの冗長化の機能だけでは、アプリケーションレベルで正しく動作していることまでを監視することができません。OSSのクラスタソフトウェアを利用することで、サービス監視までを実現することができます。
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