- OpenObserve〜オブザーバビリティのログ管理ソフト〜
- OpenObserveとは、ログの全文検索エンジンとフロントエンドUIを兼ね備えたログ管理ソフトウェアです。ここでは、OpenObserveの特徴や機能を紹介します。
- ログ検索におけるOpenObserveとGraylogの比較
- ここでは、ログの検索ができるOSSとして人気の高いOpenObserveとGraylogのログ検索機能を比較した結果とデージーネットの取り組みを解説します。
ログ管理の一環として、大量のログから参照したいログを見つけ出すための機能は必要不可欠です。そのため、ログ管理を行う各種ソフトウェアには、ログを効率的かつ高速に検索するため、様々な機能が備わっています。この記事では、ログの検索ができるOSSとして人気の高いOpenObserveとGraylogを比較した結果を解説します。
ログ検索の機能を活用することで、主に以下のようなメリットがあります。
ログ検索により、システムやアプリケーションで発生したエラーや問題をリアルタイムで特定し、迅速に対応することが可能になります。これにより、ダウンタイムを最小限に抑え、サービスの信頼性向上にも貢献することができます。
ログの検索は、企業のポリシーに沿った運用ができているかを確認するための監査にも非常に有効です。ログを効率よく検索することで、監査人の業務効率の向上、法的リスクの低減などにつながります。
管理者がログを監視することで、ユーザの不正行為や情報漏えいなどのトラブルを抑止する効果もあります。従業員に不適切な行動が見られた場合も、ログを証拠として残しておくことで適切な対策をとることができます。
デージーネットでは、ログ管理のソフトウェアであるGraylogとOpenObserveについて、ログの検索機能の比較を行い、以下の表に結果をまとめました。
OpenObserve | Graylog | |
---|---|---|
ログ検索 | ||
ログ内容の検索 | ◯ | ◯ |
ユーザ名での絞り込み | ◯ | ◯ |
グループでの絞り込み | ◯ | ◯ |
日時での絞り込み | ◯ | ◯ |
検索のしやすさ |
|
比較的容易 |
ダッシュボード | ||
ユーザ毎のログ件数の表示 | ◯ | ◯ |
グループ毎のログ件数の表示 | ◯ | ◯ |
特定期間内のログ件数の表示 | ◯ | ◯ |
時間別のログ件数の表示 | ◯ | ◯ |
表示する内容の絞り込み(2) | △ 複数の条件を使用して 絞り込むことが難しい |
◯ |
設定のエクスポート・インポート | ◯ | × |
その他 | ||
ストレージ効率 | ◎ | ◯ |
構築コスト | 低い 必要なソフトウェアはOpenObserveのみ |
高い Graylog本体のほかに、MongoDB/OpenSearch/java が必要 |
マシンスペック | 低い 必要なソフトウェアがOpenObserveのみであるため(3) |
高い 必要なソフトウェアが多いため |
構築難易度 | 低い
|
高い
|
1:関数の候補の表示や入力補完はあります。
2:特定のユーザ名・グループ名・日時を指定して、その条件にあった内容で、グラフや表を再作成する機能のことです。
3:OpenObserveの要求スペックについては開発時に検証します。
以下では、OpenObserveとGraylogの特徴を踏まえた上で、おすすめの利用例を紹介します。
OpenObserveは、オブザーバビリティを実現するために利用されるログ管理ソフトウェアです。他のツールと比べてストレージ効率が高いという特徴があります。そのため、従来のログ監視ソフトに比べてシステムを観察する能力に長けています。また、データの圧縮率が非常に高いというメリットを持ち、デージーネットが行った調査では、元のデータから約18分の1のサイズに圧縮してデータを保存できることを確認しています。こうした特徴から、コストをかけずに大量のログを保管したいシステムに適しています。
Graylogは、ログサーバの管理やログの参照、検査、可視化などを行うことができる統合型のログ管理ソフトウェアです。全文検索エンジンのElasticsearchやOpenSearchを利用して動くため、特に大容量のログデータの管理に優れています。また、ログの解析結果をグラフで可視化することも得意としています。そのため、複数のソースからのログを集約したり、IoT分野などのビッグデータを監視したりするケースに適しています。
デージーネットでは、オープンソースソフトウェアのログ管理ツールを利用し、ログ検索を上手く活用したシステムのご提案をしています。お客様の要望に合わせ最適な仕組みを提案し、管理者やユーザが使いやすいシステムを構築しています。
またデージーネットでは、ビジネスチャットツールのOSSのZulipのオプション機能として、「メッセージログ機能」を開発しました。この機能では、上記の比較結果を踏まえ、OpenObserveを採用しています。Zulipのメッセージログ機能の詳細情報については、以下からご確認いただけます。
この記事は、ログ管理ソフトウェアOpenObserveついて調べた内容を整理して書いたものです。目次を参考に、機能や性能検証など、導入の検討の時にはぜひご確認ください。インストールからログインまでの作業も解説しています。
Zulipには、チャットのやり取りに関するログが残りません。そこで、デージーネットでは、Zulipのメッセージログ機能オプションを開発しました。これにより、ユーザのメッセージ内容を検索することや統計情報を閲覧することが可能になります。
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