おすすめ写真管理・整理ソフトウェアのOSS〜Piwigo〜
現在、Google フォトなど写真や画像を保存して、整理や管理できる製品やソフトウェアがよく利用されています。基本的に新しいどのスマートフォンにも写真管理・整理のアプリは標準で搭載されており、初心者でもそのまま使うことが可能です。またパソコン向けではデジカメやiphoneなどのスマホのカメラで撮った写真や動画を自動で仕分けてくれるようなフリーソフトが数多くあります。
Google フォトは、スマホで撮影した写真や動画などが、自動的にGoogleに保存され、他の端末や、別のパソコンでも管理、整理、検索などができるサービスです。こういったクラウド型のサービスは便利に利用できる反面、ビジネスの場面では写真などのデータを管理する場合、セキュリティの観点でクラウドサービスを利用できないことがあります。今回紹介するPiwigoは、オンプレミス環境に構築することができ、セキュリティ面で安心して写真管理を行うことが可能なオススメのソフトウェアです。
OSSの写真管理ソフトPiwigoとは
Piwigoとは、オープンソースの写真管理ソフトウェアです。Piwigoには、セルフホスト版とクラウドサービス版が存在し、公式のサイトから手に入れることができます。セルフホスト版は、GPLv2のもとで、オープンソースとして公開されており、無料で利用することができます。OSSのセルフホスト版を利用することで、オンプレミス環境に自社専用のアプリケーションを構築することが可能になります。クラウドサービス版では、Piwigo.comを使用することができます。有償サービスで、Piwigoのサポートを受けることができます。Piwigoは、ウェブインタフェースを使用して、撮影した写真を管理、整理、共有することができます。Piwigoは、組織やチーム、そして個人で利用できるように設計されています。
OSSの写真管理ソフトPiwigoの特徴
OSSの写真管理ソフトウェアPiwigoには、以下の特徴があります。
ウェブインタフェースから写真の管理、整理、閲覧ができる
Piwigoの最大の特徴は、PCのウェブインターフェースから写真のアップロードや閲覧ができることです。Piwigoにアップロードすることで写真や画像を一覧で表示することが可能になります。Piwigoには、以下の機能があります。
写真のアップロード
1枚ずつ写真をアップロードすることや、フォルダごと複数枚選択して写真を取り込むことが可能です。ファイルを画面にドラッグ&ドロップして簡単にWeb上にアップロードすることができます。
タグの追加
Piwigoは、アップロードした写真にタグを設定することが可能です。写真にタグやコメントを付けておくと、検索する際など分類の作業が便利になります。管理者はタグの管理ページからタグの追加・編集・重複(コピー)・削除を行うことができます。タグ名は自身で設定することが可能です。
アルバムの作成
Piwigoは、写真をアルバムごとに整理して保管します。アルバムは階層的に作成することができ、アルバムの名前は変更可能です。アルバムは、2種類のアクセスタイプを設定することができます。
- パブリック
ログインしていないユーザでも誰でも参照できるアルバム
- プライベート
閲覧が許可されたユーザのみ参照できるアルバム
アルバムには、ロックの設定と解除もできるので一時的にロックして管理者以外の人が閲覧できないようにすることも可能です。ロックの設定は、アルバムのメンテナンス等を行う時に使用することができます。
写真の一括操作
Piwigoは、写真の一括操作も可能です。1枚以上の複数の写真をまとめて選択し、削除や該当のアルバムへ移動することや、一括でタグを追加することができます。
写真の閲覧
アルバムの一覧が表示され、該当のアルバムを選択するとアルバム内の写真を一覧で表示することが可能です。個々の写真をクリックすると、撮影した日付や、作成日時、投稿日時、写真の閲覧可能者が表示されます。撮影時の状況や設定などを表したExif情報の表示や写真のお気に入り登録も可能です。
写真の編集
Piwigoで写真を編集することも可能です。写真のタイトル、作成者、作成日、説明等を編集することができます。
スライドショーの表示
アルバムに登録されている写真をスライドショーで閲覧することが可能です。アルバムの一覧表示ページの上部に表示されている再生のアイコンをクリックすると、スライドショーが開始されます。
いろいろな検索方法で写真を検索できる
Piwigoは、アルバムでの検索、タグによる検索、カレンダーからの検索、写真のタイトル等の詳細な検索などいろいろな方法や項目で写真を検索することが可能です。アクセス数の多い人気の写真をランキングで検索したり、お気に入り登録した写真などの検索もできるので欲しい写真を時間をかけずに便利に探すことが可能です。
ユーザ等のアクセス制限ができる
Piwigoは、ユーザやグループでアルバムのアクセス制限を行うことが可能です。管理者がアクセス制限を行うことができるので特定の部門やグループのみが閲覧できるアルバムの作成ができます。そのためセキュリティ面も安心して利用が可能です。
プラグイン機能で拡張が可能
Piwigoには、プラグイン機能がありアプリと連携させることで機能を拡張することが可能です。プラグインの管理ページから、インストールされているプラグインの一覧が表示できます。Piwigoの主なプラグインは以下になります。
- Communityプラグイン
Communityプラグインは、管理者以外のユーザが写真をアップロードできるようになります。
- Upload 1 menuプラグイン
Upload 1 menuプラグインは、「写真をアップロードする」のメニューをトップ画面に表示することができます。
- Photo added byプラグイン
Photo added byプラグインは、写真をアップロードしたユーザ名を写真の詳細に表示することができます。
- Admin Toolsプラグイン
Admin Toolsプラグインは、公開ページに管理者メニューを表示することができます。また写真の所有者に、写真の編集権限を与えることができます。
- OpenId Connectプラグイン
OpenId Connectプラグインは、OpenID Connectを使用したシングルサインオンを使用できるようになります。
- VideoJSプラグイン
VideoJSプラグインは、導入することで動画ファイルのアップロードができるようになります。
Piwigoは、その他にも多くのプラグインをダウンロードして利用することができます。プラグインの管理ページから、インストールされていないプラグインの一覧が表示できます。
各プラグインの欄のボタンをクリックすることで簡単にインストールが可能です。
Piwigoを利用する上での注意点
Piwigoを利用する上で以下の注意するポイントがあります。
デフォルトのスキンで文字が見えにくい
デフォルトで用意されているデザインのテーマ/スキンを使用している時、入力した文字が見えにくい場合があります。例えば、写真のタグ追加/削除の操作を行う時、背景の色と入力の文字の色が同じ色になってしまい何を入力しているのかが見えません。対策方法として、元から設定されているデフォルトのテーマを変更すれば、文字が見やすくなります。
使用できるファイル形式が限定されている
Piwigoの標準設定では下記の画像ファイル形式に対応しています。
- jpg
- jpeg
- png
- gif
設定ファイルに指定することで、対応する拡張子を追加することが可能です。対応できる拡張子は以下になります。
- tiff
- tif
また、VideoJSプラグインを導入した場合は、動画ファイル形式に対応することが可能になります。対応可能な形式は以下になります。
- ogg
- ogv
- mp4
- m4v
- webm
- webmv
- strm
Piwigoで対応できないファイル形式は以下になります。
- heic
- wmf
デージーネットの取り組み
デージーネットでは、Piwigoを利用した写真管理システムの構築・保守サービスを行っています。 サービスが止まらない、写真データが失われない最適なシステムの構築を実現するためにデージーネットでは、複数台のサーバを使用した冗長化システムの構築をおすすめしています。
弊社でシステムの構築をしたお客様には、Open Smart Assistanceという保守サービスに加入することができます。OSSそのものではなく、運用中のシステムが適切に運用できることをサポートしています。 保守サービスでは、使い方から運用方法まで幅広い範囲でのQ&Aや、適正に運用できるようなセキュリティの情報提供、障害調査、回避を行い、安心して利用して頂けるよう管理者の業務をサポートします。また、スケールアウトができる構成もあり規模が大きいシステムにも対応が可能です。Piwigoのインストール方法や詳細な情報は、Piwigo調査報告書に掲載されています。
「情報の一覧」
Piwigo調査報告書
Piwigoは、オープンソースのweb写真管理ソフトウェアです。ウェブインタフェースを使用して、写真を管理、整理、共有が行え、使いやすくおすすめのソフトウェアです。この記事では、Piwigoの写真整理の機能説明や使い方を等を掲載しています。