ZoneMinder〜OSSの監視カメラシステム〜
監視カメラシステムは、映像を撮影するカメラと連携し、遠隔地からでもリアルタイムで状況確認をすることができます。監視カメラシステムは、犯罪の抑止などのセキュリティ面での導入だけではなく、一般企業や工場などでのマネジメント管理や、ビジネスでのマーケティング活用の一つとしても導入されているケースがあります。ここでは、オープンソースソフトウェアで実現できる監視カメラシステム、ZoneMinderについて紹介します。
ZoneMinderとは
ZoneMinderとは、監視カメラと連携して動作し、監視カメラの映像を映し出すことができるオープンソースソフトウェアです。ZoneMinderプロジェクトにて開発され、GPLライセンスで公開されています。ZoneMinderは、複数の監視カメラを登録してモニタリングすることや、映像を使ったモーション検知をしアラートを出すことができます。
ZoneMinderの特徴
ZoneMinderの特徴は、以下になります。
多数のカメラに対応ができる
ZoneMinderは、RTSPに対応したカメラであれば利用することが可能です。RTSPとはReal Time Streaming Protocolの略で、映像や音声のデータを送受信するプロトコルです。ZoneMinderは、この規格に対応しているカメラであれば映像をまとめることができます。そのため、メーカー独自のシステムを購入する必要や、同じメーカーのカメラを追加で購入する必要がありません。ZoneMinderでは、他社メーカーのカメラを同時に画面に表示することが可能です。さらに、ONVIF(Open Network Video Interface Forum)という規格に対応したカメラ機器であれば、自動的にカメラの検出が可能です。
動作モードを設定できる
ZoneMinderは、カメラごとに動作するモードを設定することができます。モードには以下の設定が可能です。
- Monitor:リアルタイムでのライブストリーム
- Modect:モーションが検出された場合にアラームイベントを生成
- Record:ライブストリームと録画
- Mocord:ライブストリームと録画、モーションが検出された場合にアラームイベントを生成
リアルタイムで映像を閲覧することや、映像を録画することが可能です。その他に、なにか動きがあった場合のみ画像を残すような設定もできます。
モーション検知率の調整
ZoneMinderは、映像で動きがあった際にモーションとしてイベントを検出することが可能です。しかし、カメラ全体を検出対象として設定した場合、誤検出や検出されないなどの問題が発生します。そのため、ZoneMinderでは、カメラの映像をゾーンという単位で区切って、検出感度を変更することが可能です。ゾーンの設定を細かく行うことで、映像の一部だけを監視したり、光の変化を無視してモーションを検知するなど、様々な映像パターンでの対応が可能になります。
自動実行タスクの設定が可能
ZoneMinderは、フィルタという機能を利用することで、検索条件にマッチしたイベント一覧を取得することや、イベントの削除・コピー・アーカイブ等の操作をすることが可能です。デフォルトのフィルタ機能の一つとして、ディスクの使用率が95%を超えると、古い動画や画像を削除する自動削除機能も設定されています。その他、バックグラウンドで定期実行するオプションも存在するため、映像に動きがあった場合に、自動的にアラートメールを送信するなどの運用も可能になります。
オンプレミス環境に構築できる
企業でカメラの映像を保管する場合、内容によっては機密な内容が含まれている可能性があります。ZoneMinderは、オンプレミス環境に構築することができ、データの保管先も選択することが可能です。社内のネットワークのみで運用が可能なため、セキュリティ面でも安心して利用することができます。
モバイルからでも利用可能
ZoneMinderは、WEBブラウザからの利用が可能です。また、AndroidやiOSアプリが存在するため、スマートフォンやタブレットから利用することができます。
ZoneMinderの機能
ZoneMinderには、以下の機能があります。
監視カメラの登録
カメラの名前やサーバを紐づけます。その他に、監視カメラのライブストリーム用のURLを指定することができます。
保存先の設定
保存先のストレージを選択することが可能です。
タイムスタンプの表示
映像に表示するタイムスタンプのフォーマットや位置を指定することができます。
バッファ設定
バッファ設定では、映像処理時のバッファに関する設定を行うことができます。
リモートカメラ設定
リモート操作が可能なカメラの操作設定を行うことができます。
カメラのモード設定
モーションが検出された際の、録画する長さの指定が可能です。
ロケーション設定
カメラの場所を設定することができます。
表示方法の変更
複数のカメラを一斉に参照するインタフェースがあります。画面が一定期間で自動的に切り替わり、他の映像を順番に見ることや、複数のカメラにアクセスし映像を並べて閲覧することが可能です。
ZoneMinderの課題
ZoneMinderには、現在以下の課題があります。
日本語の表示
ZoneMinderは、多言語対応していますが、日本語に設定するとうまく表示されません。そのためカスタマイズして利用する必要があります。デージーネットでは、この課題を解決するために日本語化を行いました。日本語で表示されることで、よりわかりやすく管理できるようになりました。以下のURLよりダウンロードが可能です。
検知率の調整が難しい
検知感度を非常に細かく設定可能ですが、一方でカメラ・監視する風景・明暗・解像度など様々な要因で、アラームの発生件数が上下します。個々のカメラに対してトライアンドエラーの調整が必要になります。
デージーネットの取り組み
デージーネットでは、ZoneMinderを利用した監視カメラシステムの構築・保守を行っています。ZoneMinderは、カメラの調整が難しいソフトウェアですが、デージーネットでは、パラメータの調整方法や手順など、お客様のニーズにそって利用しやすい方法を検討・提案しています。インストール方法や使い方、ゾーンやフィルタ機能の設定方法などの詳細については調査報告書に掲載しており、無料でダウンロードすることが可能です。
「情報の一覧」
ZoneMinder調査報告書
ZoneMinderとは、監視カメラと連携して、複数の監視カメラのモニタリングや、映像を使ったモーション検知を行うことができるオープンソースソフトウェアです。本書は、設定方法や使い方などについて調査した内容をまとめたものです。