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ウェビナーとは

ウェビナーとは、ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を合わせた造語である。ウェブセミナーやオンラインセミナー、リモート開催セミナー、インターネットセミナーとも呼ばれる。特定の会場で開催される対面型のセミナーをオンライン形式にしたもので、開催者はウェビナーツールを用いてオンライン上にバーチャルな会場を作成し、映像や音声を参加者に共有し、セミナーの模様を届ける。参加者は、パソコンやタブレット端末、スマートフォンなどのモバイル端末を用いて、自宅などから参加する。

配信方法には、リアルタイムに配信するライブ配信と参加者が日時を間わず自由に参加できるオンデマンド(録画)配信があり、主催者は目的に応じて使い分けることができる。ウェビナーツールには、Zoomを始め、Microsoft Teams、Google Meet、Adobe Connect for webiatsなどがあり、それぞれウェビナーツールごとに異なる特徴を持つ。例えばZoomウェビナーであれば最大10,000人の参加が可能である。また、ウェビナーとして使えるOSSに、BigBlueButen、AVideo、OBS Studio、Canvas LMS、Nextcloudなどもあり、主催者は目的に応じて最適なウェビナーツールを選ぶことができる。

2025年現在、ウェビナーは企業のマーケティング活動や商談などの営業活動、業務研修、採用活動、個人向けセミナーなど、さまざまな用途で役立てられている。

webinar(ウェビナー)のメリット

下記では、ウェビナーのメリットについて説明する。

参加者側のメリット

参加が気軽である

インターネット環境とパソコンやタブレット端末、スマートフォンなどのモバイル端末さえあれば、自宅や離れた場所からでも参加することができるため、従来の対面のセミナーとは違い実際に会場に行く必要がなくなる。また、それに伴う身支度、遠方に向かうことがなくなるため、宿泊の必要がなくなる。よって、参加者にとって、セミナーへの参加が非常に手軽なものとなる。

コスト削減が可能である

移動、身支度、宿泊が必要なくなるため、それに伴う荷物の用意や、交通費などの費用がなくなる。内容や距離によっては、高額になることもあるので、それが削減できるのは大きなメリットである。

快適な環境での参加が可能である

対面のセミナー参加では、会場や席、前に座る人によって、モニターが見づらかったりすることがある。また、周りの人の話し声などで、登壇者の声が聞きづらかったり、集中力がそがれたりする可能性がある。さらには、人によって快適な温度は違うため、寒かったり、暑かったりする可能性がある。オンライン配信であれば、そういった対面形式のセミナーでは悩みがちなことがないため、快適な環境で参加することができる。

オンデマンド配信で時間の制約なくセミナーに参加可能である

リアルタイムの配信だけでなく、録画したセミナーを視聴できるオンデマンド配信もあるため、スケジュールが合わない時でも参加できる。また、見逃してしまったり、再度見たいといったときに何度でも見返すことが可能である。

気軽な質問やコミュニケーションが可能である

基本的に顔出しなしでの参加になり、また自分の画面や音声を共有することもないので、気軽に参加が可能である。また、質疑応答やコミュニケーションはチャット欄にコメントを入力し送信するチャット機能や投票機能を用いて行うこともできるため、円滑な双方向のコミュニケーションの実現が可能になる。

開催者側のメリット

コスト・手間の削減

対面セミナーでは会場の準備が必要だが、オンライン配信ではその必要がなくなるため、会場のレンタル費用などがかからなくなる。また、会場を抑えるための日程調整、当日の受付や案内も不要となるため、手間も削減することができ、業務の効率の向上へとつながる。

参加人数増加の期待

参加者にとって、場所や時間などの制約がなくなるなど、セミナー参加への障壁が下がるので、新規の参加者も含め、参加人数の増加が期待できる。また、海外への配信も可能であるため、海外での集客も可能になり、海外の新規顧客の獲得など、グローバルなマーケット開拓にも適している。

セミナー以外にも活用可能

セミナーに限らず、意見を交換するweb会議のためのツールとしての利用や採用活動における面接での利用など、目的に合わせて様々な形でウェビナーツールの活用ができる。

webinar(ウェビナー)のデメリット

下記では、ウェビナーのデメリットについて説明する。

参加者側のデメリット

インターネット環境を整えなければならない

電波が弱かったり、回線が安定していなかったりする場合や、機器、機材の性能が十分でなかったり、調子が悪かったりすると、配信が止まる、音声が聞き取りづらい、画質が大きく下がるなどの問題が発生する。場合によっては、配信が完全に終了し、参加・視聴ができない可能性がある。

モチベーション・集中力の低下

人目がないことや、離席がしやすいことなどで、モチベーションや集中力を保ちにくいという問題が発生しやすく、参加者の途中での離脱につながりやすい。

開催者側のデメリット

配信環境の整備が必要

配信が止まる、音声が聞きづらいなどといった通信環境のトラブルは参加者にとって大きなストレスとなりうる。加えて、カメラやマイクなどの機材も画質や音質に影響するため、使用する機材の選定には注意が必要である。こういった問題はセミナーの成功に関わるため、配信環境には十分に気を付けなければならない。また、事前に回線トラブルなどによって配信が完全に止まってしまった場合に備え、リアルタイムの配信でも録画し、再度配信するなどの対策を取ることなども求められる。

参加者の意欲を保つ工夫が必要

参加者の顔が見えないため、反応に合わせて話題を変えたり、話すスピードを変えたりといったことができない。そのため、退屈なセミナーとなってしまうことがあり、参加者のモチベーションや集中力の低下、離席などにつながる可能性がある。以上の課題の対策として、適切なタイミングで質問を受け付けてみる、アンケート機能を用いてアンケートを実施する、参加者を複数のグループに分け、同じルームの中で意見交換を行ってもらうなど、参加者が意欲的に参加できるような工夫が求められる。

ウェビナー(webinar)ツールの選び方

下記では、ウェビナーツールを選ぶ際のポイントについて説明する。

機能性

ウェビナーツールによって、機能が違うため、目的を明確にし、それに応じてウェビナーツールを検討する必要がある。機能例として、配信・録画、画面共有、チャット、参加者の予約・出欠管理、アンケート、音声翻訳、決済機能、SNSとの連携機能などが挙げられる。目的として、リアルタイム配信だけではなく、録画配信もしたいというのであれば、録画機能が搭載されているかどうかがチェックするべきポイントとなる。また、アンケートを取りたいというのであれば、アンケート機能が実装されているかどうかを確認するべきである。

参加人数

ウェビナーツールによって、参加可能な定員が異なる。また、ウェビナーツールによって、得意としている規模がある。例えば、Zoomはパネリスト最大100名、視聴者最大10,000名での開催可能である。また、Google meetは参加人数100人まで無料で利用できる。大規模な講演会、少人数でのミーティングなど、目的の利用規模に合わせて、機能面や費用面などから適切なものを選ぶ必要がある。

料金プラン

一般的なクラウドサービスのウェビナーツールの料金プランは主に、月額定額制と従量課金制の2つがある。ウェビナーの利用頻度が高いのであれば、利用頻度に関係なく料金が一定である月額定額制がおすすめである。利用頻度が低いのであれば、無駄なく利用できる従量課金制がおすすめである。また、有料ではなく無料で利用できるウェビナーツールもある。OSSのウェビナーツールは、ソフトウェア自体は無料で、参加人数や利用頻度によって、追加料金が発生しない。

サポート体制

ウェビナーツールの使用には、配信中に映像や音声が途切れるなどのトラブルが発生することがある。また、使い方などで不明点が出てくることもある。こういった時のユーザサポートの運営体制をあらかじめ確認することが必要である。例えば、ウェビナーツールの操作に関するQ&A対応があるか、海外の製品であれば、日本語での対応が可能かどうかなどが挙げられる。

使いやすさ

ウェビナーツールによって、会員の登録の有無、専用アプリのダウンロードの必要性、URLなどからワンクリックでのアクセスの可否などの違いがある。また、利用できるデバイスの制限や操作の容易さの確認も必要である。参加者の特性に合わせて選ぶことが大切である。

ウェビナーの活用シーン

下記では、ウェビナーの活用シーンについて説明する。

企業のマーケティング活動

企業のプロモーションや新製品発表などのマーケティングツールとして活用できる。対面式のイベントに比べて低コストで開催することができるだけでなく、参加へのハードルが低いため、より多くの参加者を集められることが期待できる。リアルタイムで参加できなかった人でも、録画配信を活用することで、後日視聴してもらうことができ、長期的なマーケティング効果を得ることができる。さらに、アンケート機能を活用することで、参加者の意見やフィードバックなどのデータを集めることができ、これらのデータを分析することで今後の企業活動に活かすことができる。また、ウェビナーツールとYouTubeやX(旧Twitter)などのSNSと組み合わせることで広告効果を高めることが可能である。

商談・営業活動

遠隔地の顧客とのコミュニケーションを取る手段として活用できる。顧客のオフィスや遠方の取引先へ訪問する必要がなくなるため、交通費や移動時間を大幅に削減することができる。一日あたりの商談回数を増やすことができるため、より効率的に営業活動を行うことができる。また、画面共有や資料共有をする際、ウェビナーツールであれば、その場で全員の資料に追加で情報を書き込むことができるほか、動画から説明スライドになど資料の切り替えがスムーズにでき、よりわかりやすく効率的に商談の進行ができる。さらに、録画機能を使えば、商談の内容を後日そのまま見返すといったこともでき、より効果的な商談を行うことができる。

業務研修・社員教育

社員が全国や海外にいる企業でも、それぞれの社員が同じ研修に参加することができ、研修ごとに内容が違うことによる情報のズレが生じることがなくなるため、知識のばらつきを防ぐことができる。また、録画機能を活用することで、何度でも復習することで理解を深め、知識の定着率の向上が望める。さらに、新入社員や中途社員に対しても過去の研修を提供することができるため、効率的な教育が可能となる。加えて、チャット機能やアンケート機能を用いることで、受講者が気軽に質問や発言ができることが望めるので、より効果的な研修を行える。

採用活動

直接面接会場に行かず、自宅などから参加できるため、応募者の負担を軽減することができ、企業側にとっても、より多くの応募者と効率的に面接を行うことができる。また、遠方に住んでいても面接を受けることができるため、全国の人材確保につなげることができる。さらに、オンラインで面接をすることにより、応募者の緊張を和らげることも期待でき、応募者が本来の実力を発揮しやすくなることが望める。

webinar(ウェビナー)として使えるOSS

下記では、ウェビナーとして使えるOSSについて説明する。

OSSのウェビナーツールのメリット

オンプレミスで構築可能で企業内での配信に適している

OSSのウェビナーシステムは、オンプレミスの環境に導入することができる。また、クラウド上に自社専用のウェビナーシステムを作ることもできるため、自社の運用に合ったシステムを構築することが可能である。

セキュリティの心配がない

クラウド型のウェビナーシステムでは、暗号化が不十分である可能性がある。また、海外のサーバに置かれた情報は、日本の法律の適応外となり、適切に扱われているかが分からない。これらの理由から、情報流出の危険があるため、OSSを利用して外部ではなくプライベートなウェビナーシステムを構築すれば、安全にオンラインセミナーを行うことができる。

ホスト数で課金されない

OSSのウェビナーシステムは、ソフトウェア自体は無料で、ライセンス・フリーのため、参加人数や利用頻度による課金が発生しない。また、月額料金を気にせず、初期費用のみでランニングコストを抑えて利用することができる。そのため、頻繁にウェビナーを開催する場合や、今後も継続的にウェビナーを実施する予定で利用者が増える可能性がある場合は、OSSを使いウェビナーシステムを導入するとコストパフォーマンスの向上につながる。

時間制限がない

クラウド型のウェビナーシステムでは利用時間の制限が設けられているものも多く、利用時間を追加する際は課金制となる場合もある。OSSのウェビナーシステムは、クラウドサービスと異なりこうした課金がない。そのため、イベントなどで長時間のウェビナー配信を行う場合は、比較的コストを抑えてウェビナーを実施することができる。

ウェビナーツールとして使える具体的なOSS一覧

BigBlueButton〜OSSの高機能なウェビナーシステム

BigBlueButtonは、オープンソースの代表的なウェビナーシステムで、非常に高機能なのが特徴である。BigBlueButtonを略して、BBBとも呼ばれている。以前から大学で使われるなど、実績のあるソフトウェアである。

AVideo〜録画したセミナー動画の配信、ライブストリーミング

AVideoは、動画配信サーバのオープンソースソフトウェアである。BigBlueButtonで配信した録画を整理して管理することができる。また、ライブストリーミングに対応しているため、大規模なセミナーを実施するためにも利用することができる。

OBS Studio〜ライブ配信映像の制作

OBS Studioは、ライブ配信の映像を制作し、配信を行うソフトウェアである。オープンソースソフトウェアとして公開されており、Windows、MacOS、Linuxなどに対応し、簡単にインストールすることができる。

Canvas LMS〜セミナーの管理

Canvas LMSは、米国のInstructure社が開発した、オープンソースの学習管理システム(LMS:Learning Management System)である。企業の研修や学校などの教育機関で、セミナーの日程管理、教材配信、成績の管理などを行うために利用できる。

Nextcloud〜ウェビナーと連携して使える便利な機能

Nextcloudは、オンラインストレージの機能を提供するオープンソースソフトウェアである。オンラインセミナーでの資料配布や、詳細なアンケートなどを実施したい場合には、Nextcloudのファイル共有機能やフォーム機能を使うと便利である。

まとめ

ウェビナーは、現代のビジネスにおいて重要なツールの1つであり、企業組織は有効利用することが求められる。対面型のセミナーと比べ、参加が気軽であることや、コスト削減ができることなど様々なメリットがある一方、インターネット環境を整えなければならないことや、参加者の集中力が低下しやすいなどのデメリットがあり、利用には工夫が必要である。

また、ウェビナーツールには、ZoomやGoogle Meatなど数多くのものがあり、利用者は目的に応じ、適切に選択する必要がある。そして、ウェビナーツールとして使えるBigBlueButtonなどのOSSもあり、クラウドサービスのウェビナーツールに比べ、セキュリティ面など様々なメリットがあるため、非常におすすめである。

デージーネットの取り組み

デージーネットでは、上記のOSSを実際に活用している。社外向けには、BigBlueButtonを利用して、自社で定期的に開催している顧客向けセミナーや就活生向けの会社説明会を行っている。50人〜100人の規模のセミナーを行った実績もあり、利用者からは、音声や画面の品質についても良い評価をいただいている。

社内向けには、AVideoやCanvas LMSを利用して社内研修を実施している。社員のスキルアップを目的とした技術の研修や、新人エンジニアを育成するための研修を実施している。なお、デージーネットでは、AVideoとCanvas LMSを連携させたeラーニングシステム「LearNET(ラーネット)」を開発した。LearNETは、動画視聴の履歴を参照できるWebUIがあり、ユーザがどれくらい動画を視聴したのか一覧で確認することが可能である。学習の管理と動画などの教材の視聴がこのシステム内で完結する。また、シングルサインオンのOSSであるKeycloakと連携しているため、1度のログインですべてのシステムを利用することが可能となっている。

なお、デージーネットでは、システムの構築と導入後のサポートのサービスを提供している。そして、デージーネットでサーバを構築した場合には、Open Smart Assistanceを利用することができる。Open Smart Assistanceでは、ソフトウェアの利用方法に関するQ&A、障害発生時の障害調査、セキュリティ情報の提供など、ソフトウェア単独ではなく、Linuxなどを含むシステム全体に対するサポートを受けることができる。

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