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Canvas LMSとは

Canvas LMS(キャンバスLMS)とは、オープンソースソフトウェアの学習管理システム(Learning Management System)である。簡単に使えるeラーニングシステムを目指し、米国Instructure社によって開発された。開発言語はRuby/NodeJS、ライセンスはAGPLv3で公開されている。また、Canvas LMSはオープンソースとして提供されているだけでなく、クラウドサービスとしても提供されている。

Canvas LMSは、主に企業の研修や学校などの教育機関で使用され、オンライン上で講師や受講者の情報やカリキュラムの登録、教材の配信等を行うことができる。例えば、講義を紙ベースで行う場合、講師や事務員は講義毎に大量の資料を印刷する必要があり、印刷の費用や手間がかかる。簡単なテストを行うだけでも、手作業で受講者全員の添削を行わなければならず、成績等の管理も大変である。Canvas LMSは、学習管理に必要な基本的な要素や、教育活動を円滑に進めるための機能が豊富に備わっていることから、今日における教育現場での課題を解決してくれる。また、オープンソースとして提供されていることから、ライセンスコストがかからず、一度構築してしまえば初期費用のみで利用可能なため、現在世界中の多くの教育機関で活用されている。

Canvas LMSの主な機能

Canvas LMSには「管理者向け機能」「講師向け機能」「受講者向け機能」「システム管理機能」の4つの機能がある。

管理者向け機能
  • 学習コースの作成
  • 管理者、講師、受講者などのユーザ管理
  • 一般ユーザへの部分的な管理権限の付与(講師に学習コースの管理権限を与える等)
  • 学部・学科などのセクション管理
  • 各ユーザ情報・認証情報、受講コース、グループなどの情報をCSV形式でファイルをインポートする機能
講師向け機能
  • 講義資料の作成・管理
  • 課題、小テストの作成・添削
  • ディスカッションフォームの管理
  • 成績の管理
  • 受講者の受講状況の確認
  • 日誌の作成
受講者向け機能
  • 授業や課題のスケジュール確認
  • 自身の成績管理
  • 受講したコースの情報閲覧
  • 課題のアップロード
  • ディスカッション
システム管理機能
  • LDAPやSAML/OIDC等の認証
  • ユーザ等の情報CSV連携
  • 学部・学科、コースの管理者への権限委譲

講師・受講者のメリット

Canvas LMSのような学習管理システムを導入すると、さまざまな機能が利用でき、研修や学習ビジネスの効率を上げることが可能となる。その中でも講師・受講者のメリットをまとめると以下の通りである。

受講コースや課題の期限等の日程管理が容易にできる

Canvas LMSを使用することで、受講コースや講義の日程、課題の期限などのスケジュール管理が容易にできる。そのため講師や受講者は、Canvas LMSのカレンダーを確認するだけで、自身の学習スケジュールを知ることができる。

講義資料の作成・テストの実施・テストの採点が容易にできる

Canvas LMSを使用することで、オンライン上で講義を行ったり、試験を実施することが可能となるため、講師は、紙の印刷等の手間や費用を削減できる。テストでは、穴埋め問題や複数選択、小論文問題など、さまざまな形式での出題が可能である。また、小テストの際は制限時間を指定したり、解答をシャッフルして表示するなどをオプションで設定することもできる。試験を行う際、選択問題や穴埋め問題などの予め正解を設定しておける問題については、受講者がテストを提出した際に自動的に採点され、画面に結果や解説、講師からのコメント等を表示させることもできる。小論文などの論述問題等に関しては講師が採点する必要があるものの、簡単な小テストの採点や成績の管理等を自動的に行う事が可能となることで、大幅な作業負担軽減につながる。

様々なシステムと連携して利用できる

受講者のユーザ情報や認証情報、受講コース等の情報は、すでに別のシステムで管理されている場合が多い。Canvas LMSのCSV連携の機能を使うことで、こうしたユーザ情報等をCanvas LMSに自動的に連携する仕組みを作ることができる。また、外部のWebサービスとの連携が可能であり、講師と受講生がスムーズにやりとりできる仕様になっている。Canvas LMSとの連携が可能な主なIDプロバイダは以下の通りである。

  • CAS
  • LDAP
  • OIDC
  • SAML
  • Facebook
  • Github
  • Google
  • Microsoft
  • Twitter

ただし、外部のIDプロバイダを利用する場合、提供されるのは認証の機能のみであり、ユーザの名前などの属性は連携されない。

授業の内容を再度利用できる

Canvas LMSでは、コース内容のエクスポート・インポートができるため、過去の受講コースの情報を再度利用することができる。そのため、定期的に実施される授業に関しては、内容入力等の手間を削減することができる。

コースごとの成績の管理が容易にできる

Canvas LMSを利用することで、講師は講義の際に行ったテストの成績等の管理を簡単に行うことができる。また、各課題の点数だけでなく、課題全体の点数の割合を確認することも可能である。一方、受講者も、自身が提出した課題の結果や各コースの成績等を管理することができる。さらに、課題の結果から、自分が何を間違えたのか、どの単元が苦手なのかなどを客観的に振り返ることも可能となる。

BigBlueButtonとの連携

OSSのウェビナーシステムである「BigBlueButton」と連携することで、Canvas LMSのシステム内でウェビナー(Webセミナー)を開催することができる。BigBlueButtonには、グループチャットや共有メモ、アンケートの機能が備わっており、講義の内容にあわせて運用することができる。アップロードした資料に、手書き文字や線を描画することも可能である。ウェビナーを行う際も、管理者のマウスカーソルがレーザーポインタで指し示したように赤点で表示されるため、対面のプレゼンテーションと同じような感覚で資料説明を行うことができる。さらにBigBlueButtonの録画機能を利用することで、講義の内容を録画し、後日配信することも可能となる。

デージーネットの取り組み

Canvas LMSは、学校などの教育機関の他に、一般企業の研修等にも利用されている。オンライン上で様々な学習カリキュラムを組むことができることから、デージーネットでは社内研修等での導入を検討している。Canvas LMSのダウンロード方法やより詳しい情報については、調査報告書や下記の関連ページで解説している。

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