Tomcatとは
Tomcatは、Javaを使ってアプリケーションサーバを構築するためのソフトウェアである。正式な名称はApache Tomcatで、Apache Software Foundationが開発・管理をしているオープンソースソフトウェアである。
JavaサーブレットとJSP
Javaを使ってアプリケーションサーバを構築する技術としては、JavaサーブレットとJSPが知られている。Tomcatは、JSPとJavaサーブレットのオフィシャルなリファレンス実装であり、事実上の標準である。Tomcatは、クライアントからのリクエストに応じて、適切なJavaサーブレットやJSPを呼び出すサーブレットコンテナとして動作する。
Javaサーブレットは、Webページを動的に生成する個別のJavaプログラムである。一方、JSPは、HTML内にJavaコードを埋め込み、動的にWebページを生成する技術である。Tomcatのサーブレットコンテナは、JSPをJavaサーブレットに変換して実行することができる。
Apacheとの連携
Tomcatは、静的なHTMLや画像なども扱える完全なWebサーバとして動作する。しかし、一般的なWebサイトでは、HTMLや画像などの静的なコンテンツが多く、それをJava VM中で動作するTomcatが処理するのは非効率である。そのため、静的なHTMLや画像などは、ApacheなどのWebサーバが処理し、動的にページを生成する場合のみTomcatが処理するようにするのが一般的である。このように、ApacheとTomcatを併用する場合には、リクエストをApacheが受付け、動的処理の場合にはTomcatに処理を振り分ける。この処理は、mod_proxy_ajpなどのApacheモジュールが担当する。そのため、このようなApacheモジュールをTomcatコネクタと呼ぶ。
Tomcatのバージョン
JavaサーブレットやJSPの仕様は、定期的に見直しが行われている。そのため、仕様の更新に合わせてTomcatもバージョンアップする。例えば、Tomcat 7.0版では、Java Servlet Specificationの3.0版、JSP Specificationの2.2版に対応している。その後にリリースされたTomcat 8.0版は、Java Servlet Specification 3.1版、JSP Specificationの2.3版に対応している。
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