CloudStackとは
CloudStackとは、IaaSクラウドを構築するためのオープンソースソフトウェアです。
CloudStackプロジェクト
CloudStackプロジェクトは、2008年にVMOpts社(後にCloud.comに社名を変更)によって開始され、2010年5月にGPLv3の下でリリースされました。Cloud.com社は2011年7月にCitrix社に買収され、Citrix社は2012年初旬に CloudStack 3.0 をリリースしました。2012年8月、Citrix社は Apache Software License 2.0 の下で CloudStack を再リリースしました。現在は、Apache CloudStack としてリリースされています。
CloudStackの特徴
CloudStackには以下のような特徴があります。
- 日本語に対応したウェブインタフェースが使用できる
- 様々なハイパーバイザーをサポートしている(KVM, vSphere, XenServer, Hyper-V 等)
- 様々なネットワークサービスを提供できる(ロードバランシング, ファイアウォール, ポート転送, VPN, VPC, NAT 等)
- 外部ネットワーク機器と連携が可能である(Juniper SRX, Citrix NetScaler, F5 BigIP 等)
CloudStackでは、基本ゾーン・拡張ゾーンの2種類のネットワーク構成を選択することができます。基本ゾーンは、CloudStack内に作成する仮想サーバがすべて同じ物理ネットワークに接続される構成です。セキュリティグループに分割して、利用者毎にアクセス制限を行うことができます。拡張ゾーンは、CloudStack内に作成する仮想サーバが仮想ルータを介して外部と接続される構成です。CloudStackが提供する仮想ルータでは、NATやロードバランシング等、様々な機能を利用することができますので、柔軟なネットワークを構成することができます。
CloudStackは、多くの商用クラウドサービスで利用されている実績があります。今後は、企業内プライベートクラウドの構築にも利用されることになりそうです。
CloudStackの適用分野
CloudStackは、シンプルな構成で実装することができます。また、NAT・ロードバランシング等のネットワーク機能を標準機能として使用することができます。そのため、シンプルな構成のクラウド環境には、CloudStackが適しています。一方、独自のネットワーク構成やコンポーネントを使用したい場合等、複雑な構成のクラウド環境を構築するためには、CloudStackよりもOpenStackが適しています。
デージーネットのCloudStackへの取り組み
デージーネットの社内の開発環境はCloudStackで構成されている。こうした経験を生かして、CloudStackの構築サービスを提供している。
プライベートクラウドでの利用
特に、プライベートクラウドの構築案件では、OpenStackやVMWareではなくCloudStackの利用を推奨している。
CloudStackは、デージーネットが提供している冗長化のソリューションとも相性が良く、PacemakerやDRBDを利用した二重化も可能である。商用の仮想基盤ソフトウェアに比べると、ライセンス費用が必要ないため、同じ費用でも冗長構成に投資をすることが可能というのは非常に大きなメリットである。
サポート
CloudStackに対する商用サポートは、Citrix社が提供している。そのため、バグ修正までのサポートが必要な場合には、Citrix社のサポートを使うことを推奨している。
一方で、デージーネットでは、OSS版でのシステム構築も行っている。この場合には、デージーネットのOpen Smart Assistanceサービスの利用を推奨している。このサービスでは、障害が発生した時に調査を行い、設定で回避できるかの検討を行う。バグなど、設定で回避できない場合には、デージーネットがコミュニティーに連絡を行い、修正を待つことになる。この方法では、バグの修正は保障されないが、バグの発生が再現するような場合には、修正が行われる可能性は高い。
【カテゴリ】:仮想基盤  オープンソースソフトウェア  
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