POPとは
POPとは、Post Office Protocolの略称で、メールクライアントがサーバからメールを受信する手順を規定したプロトコルである。RFC1725で規定されたPost Office Protocol - Version 3は、POP3と呼ばれ、広く普及している。特に、インターネットサービスプロバイダーからのメールのダウンロードの用途で使われることが多い。
POP3では、到着したメールをメールクライアントにダウンロードする基本的な機能だけが提供されている。ユーザとのパスワードの交換を暗号化しないで行う平文認証が広く使われているが、セキュリティ上の問題があるため、最近では拡張認証機能であるSASL(Simple Authentication and Security Layer)などを使って、暗号化認証を行うようにすることが多い。
また、APOP(Authenticated POP)という仕組みも考案されたが、電気通信大学の太田和夫教授の研究グループが解析を成功したことから、利用は推奨されていない。代わりにWWWサーバの暗号技術として知られるSSLの技術と組み合わせた暗号通信POP over SSLの利用が推奨されている。
POPサーバを単独で実装としているソフトウェアとしては、qpopperなどがよく利用されていた。最近は、IMAPサーバと共に実装しているソフトウェアが一般的で、dovecot、courier-imapなどが使われることが多い。多くの実装がLDAPサーバとの連携をサポートしている。
また、POPサーバがメールサーバ上でメールを管理する形式として、Mailbox形式とMaildir形式がある。Mailbox形式では、すべてのメールを1つのファイルで管理する。Maildir形式では、メール1通あたり1つのファイルで管理する。Mailbox形式の方が実装も管理も簡単だが、メールの数が多くなると性能の劣化が顕著になり、サーバの処理性能を必要とする。Maildir形式は、やや管理が複雑になるが、より安全にメールを管理することができる。
qpopperなどMailboxのみにしか対応していないソフトウェアも存在するが、最近はMaildir形式を使うのが一般的である。
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