FreeRADIUSの新しいOSへの移行事例
ソリューション開発部 徳武 竜太
今回は、情報通信会社様にてFreeRADIUSの新しいOSへ移行をした事例です。お客様は、Amazon Linuxがサポート終了を迎えるためリプレースを検討されていました。また、データベースの冗長化、アカウントパスワードの暗号化をご要望でした。
お客様が悩まれていた課題
お客様は以下の内容の課題がありました。
- Amazon Linuxがサポート終了となる
- Radiusサーバが参照するデータベースが1台しかないため、万が一データの破損があった場合にサービスが停止してしまう
- ユーザのアカウントパスワードの漏えいが心配
デージーネットからの提案
デージーネットからは以下の3つを提案しました。
Amazon Linux2で現行環境を引き継いだサーバの提案
基本の設定内容は現行のOSから引き継ぐため、Amazon Linuxの次世代バージョンにあたるAmazon Linux 2への移行を推奨しました。
FreeRADIUSが複数のMariaDBを参照する設定を提案
現行環境ではRadiusサーバが参照するMariaDBが1台しかありませんでした。データベース自体もレプリケーションを使って冗長化を行っていましたが、FreeRADIUSが参照しているのは1つのデータベースのみでした。そこで、元々参照していたデータベースに異常があった際、2台目のデータベースを参照する設定を提案しました。
アカウントパスワード保存時の可逆暗号化を提案
顧客のデータベースから送られてきた平文パスワードを、データベース保存時に可逆暗号化する仕組みを提案しました。
導入時の工夫
導入にあたって以下を工夫しました。
多数の連携先サーバに応じたスクリプトを導入
今回構築したサーバは独立して動作するものではなく、別のデータベースやログサーバ、バッチサーバなどと連携して1つのシステムとなっていました。連携するにあたりデータをRadiusサーバからコピーする必要があったため、連携に必要なスクリプトを数種類作成しました。
お客様自身の運用・保守に備えたサポートを実施
実際にお客様が運用していくことを想定し、Web会議で説明をしながら、予想される障害ケースの復旧試験を実施しました。また、手順の共有もし、構築後の運用・保守を行いやすくしました。
パスワード認証のためのFreeRADIUSのカスタマイズ
CHAP認証を実装するため、平文パスワードの使用が必要でした。そこで、データベース保存時に暗号化されたアカウントパスワードを参照する際、パスワードを複合化してから認証を行うようにFreeRADIUSをカスタマイズしました。複合化したパスワードを使用してCHAP認証を行います。
導入後の結果
新しいOSへ移行したことでサポート終了までの期間が延び、安心してお使いいただけるようになりました。加えて、FreeRADIUSが参照するMariaDBを複数にすることで、より耐障害性が高まりました。また、今回利用したFreeRADIUSは高機能なOSSのRadiusサーバです。改修前は各ユーザのパスワードを平文で保存していましたが、デージーネットの改修によってデータベースに保存するパスワードを暗号化しました。そのため、通常のFreeRADIUSを利用するよりも、セキュアで冗長性の高いシステムとなりました。
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