事例:OpenStackを利用したプライベートクラウド導入支援
物理サーバやKVM上の仮想環境のサーバで提供しているサービスについて、今後、新しく提供するサービスをOpenStackのプライベートクラウド上に仮想マシンを作成したいというご要望をいただきました。プライベートクラウドを作成するにあたって、要件の整理と拡張性を考えたシステム構成、今後の構築ステップについてコンサルティングをおこないました。
- 導入企業業種
- ソフトウェア開発企業
- ユーザー規模
- -
- 実施時期
- 2020年10月
- お客様が悩まれていた課題
- OpenStackによるプライベートクラウドの要件がまとまらない
- OpenStackにはコンポーネントが多くあり、利用ツールがわからない
- 自社でも操作、運用ができるようにするために何を調べたらよいかわからない
デージーネットが提案した「OpenStackを利用したプライベートクラウド導入支援」
運用面も考えた構築ステップを提案
要望のヒアリング
まずは、実現したいことは何か、OpenStackを使ってどのようにサービスを展開するのかのイメージのヒアリングを行いました。そして、手順として直近で実現したいことと、長期的に実現したいことを整理をしました。運用面も考えてサービスの増強、サーバの増強も踏まえて以下の図のように接続する構成を検討しました。
OpenStackだけでなく、他の選択肢も提案
今回ご要望を整理した結果、OpenStackを使用するのではなくoVirtのほうが、要望にマッチすることわかりました。そのため、oVirtについても説明を行いました。oVirtとは、オープンソースの仮想環境を統合的に管理するために設計された分散仮想化プラットフォームです。oVirtは、複数台のホストで環境を構築していれば仮想マシン上で稼働しているOSやソフトウェアを、停止させずに別のコンピュータに移動させるライブマイグレーションを行うことができます。仮想マシンを起動したままホスト間を移動することができるので、ホストをメンテナンスするような場合にもシステムを停止せずに行うことが可能です。お客様とも議論を重ねた結果、今後のサービス展開を踏まえてOpenStackを選択しチャレンジをすることが決定しました。
OpenStackの機能の整理
OpenStackには、仮想マシンの作成や管理、ハイパーバイザとの連携を行うNovaやOpenStackのサービスを接続するネットワークを提供するNeutron、APIを介してアクセスできる永続的なブロックストレージを提供するCinder、Webブラウザにアクセスする時のユーザ認証を行うKeystone、仮想ディスクイメージファイルの保存や編集を行Glanceなどの数多くのコンポーネントがあります。お客様のご要望を実現するためにOpenStackのどのコンポーネントを利用するのか調査し整理しました。コンポーネントのリストアップと機能の整理をおこない、どれを利用するのか決めていきました。
検証および構築ステップの提案
一度にすべての機能を盛り込むと、完成までに時間がかかるためいくつかのステップを分けてプロセスを組み、動作の検証と構築の提案をおこないました。まずは第一に、既存のサービスが提供できるようにOpenStack上で仮想マシンが動くところまでの構築をし、次に、OpenStack固有の監視やオーケストレーションツール、データベースサービスなど付加価値となるサービスを組み上げるステップを提案しました。