よくある質問・用語集

  • もっと調べる
  • どうやって使う?

アプライアンスサーバとは

アプライアンスサーバとは、特定のサービス・機能を効率的に実行するために設計された専用のサーバーのことである。「アプライアンス(Appliance)」という単語は、一般的に器具や設備、家電製品などの意味をもつが、IT用語としてのアプライアンスは、特定の用途向けに作られた専用の機器のことを指し、アプライアンス機器とも呼ばれる。アプライアンスサーバは、このアプライアンス機器のサーバーという意味であり、一般的な汎用サーバーと異なり、特定の用途に特化したサーバーのことである。

一般的な汎用サーバーの場合は、ユーザ側でソフトウェアを導入して環境を構築するが、アプライアンスサーバは、特定の動作を効率的に処理するため、予めハードウェアとソフトウェアが統合されているのが最大の特徴である。例えば、ストレージ機能を提供するアプライアンスサーバでは、データの保存・管理に最適化されたハードウェアと、それを効率的に管理するためのソフトウェアが最初から組み込まれている。このようにそれぞれの用途に向け、様々な種類のアプライアンス製品が提供されている。

その他、よく利用されるアプライアンスサーバとして、Webサーバー、電子メールサーバー、DNSサーバー、プロキシサーバー、認証サーバーなどがある。また、複数のセキュリティ機能を統合したUTMや、負荷分散のロードバランサも、アプライアンスの形態で提供されるものがある。

なお、近年は仮想化技術の発展に伴い、従来の物理サーバーのアプライアンスだけでなく、仮想アプライアンス(バーチャルアプライアンス)の利用も増えてきている。バーチャルアプライアンスは、一般的な汎用サーバー上で稼働させることができるため、導入コストを抑えることができる。また、必要に応じて拡張や縮小、別のサーバーへの移転が行いやすいというのも特徴である。

アプライアンスサーバのメリット・デメリット

アプライアンスサーバには、以下のようなメリット・デメリットがある。

メリット

導入・管理が簡単

アプライアンスサーバの場合、必要なOSの設定やソフトウェアが既にサーバーにインストールされた状態で提供されるため、導入時に複雑な設定作業を必要としない。ベンダーが提供する標準設定やマニュアルに従うだけで利用を開始することができるため、0からシステムを構築する場合に比べ、手軽かつ短時間でシステムを稼働させることができる。専門的な知識を持たないユーザでも容易に運用管理が行え、IT部門の負担を大幅に軽減することができる。

低コスト

アプライアンスサーバは、お客様の要件をヒアリングしてから構築するサーバーとは異なり、すでに決められた機能だけを搭載している。不要な機能は削ったシンプルなシステムであるため、低コストで導入が可能である。また、多機能な製品に比べると省電力性なものが多いなど、リソース消費も抑えることができるため、運用コストの削減にもつながる。

高いパフォーマンスと効率性

アプライアンスサーバは、特定の用途に特化して設計されているため、その用途に対し高いパフォーマンスを発揮する。ハードウェアは、あらかじめサービスに必要なCPU、メモリ、ストレージなどを最適化し、冗長性やスケーラビリティの確保がされているものが多いため、一般的な汎用サーバーよりも高い処理能力を持ち、高速な動作を実現することができる。また、ソフトウェアも、用途に合わせて特定の機能に特化したものがインストールされている。例えば、セキュリティアプライアンスでは外部からの攻撃を検知する機能を持っていたり、Webサーバーアプライアンスでは負荷分散やキャッシュ機能を備えていたりするものがある。このように、必要な機能に集中して効率的にサーバーを運用することができる。

デメリット

汎用性・拡張性に欠ける

特定の用途に特化して設計されているため、他の用途に転用することが難しいという欠点がある。また、カスタマイズや拡張が制限されていることが多く、ユーザ独自のニーズには対応しにくい場合がある。そのため、他の用途としても利用する可能性がある場合や、サーバー台数を増やす可能性が高い場合、汎用サーバーを選択した方が適していることもある。

コストや運用管理の負担がかかる

ハードウェアアプライアンスの場合、物理サーバーを導入するためのコストがかかる。専用のハードウェアとソフトウェアが一体化して提供されるため、場合によっては、一般的な汎用サーバーよりもコストがかさむ可能性がある。また、サーバーの設置スペースの確保、運用管理やバックアップにかかる作業負担が大きいといった問題がある。

なお、上記で挙げたデメリットは、仮想アプライアンスサーバを利用することで解決できる。仮想アプライアンスサーバは汎用サーバーの仮想基盤上で動作するため、専用のハードウェアを準備する必要はなく、イメージファイルをダウンロードするだけですぐに利用を開始することができる。そのため、導入や移行にかかる時間や手間を軽減でき、手軽に利用を開始することができる。

デージーネットの取り組み

デージーネットでは、OSS(オープンソースソフトウェア)に関する専門知識と実績を活かし、OSSを手軽に導入していただけるよう、下記のOSSアプライアンスサーバの提供を行っている。これは、用途に応じたOSSをLinuxOSに組み合わせ、必要なソフトウェアが既にインストールされた状態で、仮想アプライアンスとしてお客様の元へお渡しするものである。OSと該当のアプリケーションをインストールしたOVA(Open Virtual Appliance)ファイルをインポートすることで、既存のサーバー上に、簡単にシステムを導入することができる。納品時は、OVAファイルのほか、設定手順書や操作マニュアル等も提供しているため、お客様で簡単な設定を行うだけで、すぐに利用開始が可能である。

OVAファイルの納品後、マニュアルの範囲外でわからないことがあっても安心して使用していただけるよう、保守サポートも同時に提供している。サポートメニューとしては、Q&A、セキュリティ情報の提供、障害調査などがある。

デージーネットのOSSアプライアンスサーバ

現在デージーネットが提供しているOSSアプライアンスサーバには、以下のようなOSSをインストールした仮想アプライアンスがある。

  • 資産管理ツール「Snipe-IT

    Snipe-ITとは、Webインターフェース上で、さまざまなIT機器や消耗品を管理することができる資産管理ツールである。資産番号や購入日、金額はもちろん、対象ユーザや機器の場所も登録することができる。機器やライセンスの有効期限、残数なども登録でき、指定した数に達した場合、アラートメールを出すことができる。

  • IPアドレス管理ツール「phpIPAM

    phpIPAMとは、WebインターフェースからIPアドレス管理が行えるツールである。ネットワークをスキャンして利用中のIPアドレスを検知したり、DNSサーバー管理と統合したりすることも可能である。利用中、予約中など、IPアドレスの利用状況も一目で確認することができるため、IPアドレス管理の手間を軽減することができる。

  • ローコード開発プラットフォーム「Pleasanter(プリザンター)

    Pleasanter(プリザンター)とは、プログラミングをほとんど使わずに業務アプリケーションが開発できる、ローコード開発プラットフォームである。Pleasanter(プリザンター)では、予め用意されているテンプレートなどを使い、Excelで行っていた案件管理や問合せ管理などを、Web上で簡単にデータベース化することができる。

  • メール送信ドメイン認証「DMARCレポート可視化ツール」

    送信ドメイン認証の1つであるDMARC設定を行う際に必要となる、DMARCレポートを手軽に解析するためのツールである。DMARCレポートはメールセキュリティ対策に有効だが、XML形式で作られるため、そのままでは非常に分析しにくい。このツールでは、DMARCレポートを「parsedmarc」により人間が読みやすい形に変換、保存し、さらにBIツールの「OpenSearch」や「Grafana」と連携させ、グラフや表で可視化することができる。

なお、上記のいずれも、初めてOSSを利用する方や、ツールの内容を知ってから導入を検討したいという方に向け、30日間のお試し版を設けている。機能制限は無く通常版と同じ内容を体験でき、期間中に正式発注の場合は、お試し版の情報をそのまま続けて利用することも可能である。

OSSアプライアンスサーバのラインナップや、導入の流れ、費用等については、以下のページで詳しく紹介している。

【カテゴリ】:ネットワークインフラ  ネットワーク  

  • もっと調べる
  • どうやって使う?

【Webセミナー】LinuxOS最新情報2024年版!LinuxOS紹介セミナー

日程: 9月19日(木)Webセミナー「BigBlueButton」を使用します。
内容: LinuxOSの最新情報をお届けします。
ご興味のあるかたはぜひご参加ください。

セミナー申込

関連用語

アプライアンスサーバに関連するページ(事例など)

アプライアンスサーバとは先頭へ