2. 準備 一覧へ 4. 使い方
3. インストール
本章では、CuMASのインストールおよび環境の初期設定について解説します。
CuMASの導入は、以下の手順で行います。
- CuMASの入手と展開
- CuMASの環境設定
- メールサーバ連携設定
- データベース設定
- Webサーバ設定
- ログ出力設定
3.1. CuMASの入手と展開
CuMASソフトウェアは、CuMASプロジェクトのダウンロードページから入手することが出来ます。
ダウンロードしたのち、圧縮されたアーカイブファイルを展開し、インストールディレクトリに配置します。
# tar xzvf CuMAS-x.xx-x.tar.gz
# cp cumas /usr/local/
展開後のディレクトリおよびファイルの所有者は、Webサーバの実行ユーザである必要があります。
3.2. CuMASの環境設定
CuMASの環境設定を行います。環境設定ファイルおよび遅延通知メールテンプレートを設定します。
3.2.1. cumas.confの設定
環境設定ファイルの設定を行います。入手の節 (■) の手順通りにインストールした場合、環境設定ファイルは次の場所に配置されています。
- /usr/local/cumas/etc/cumas.conf
また、初期内容は以下のようになっています。環境に合わせて適宜編集して下さい。 各項目の詳細は設定詳細の章 (■) を参照して下さい。
DbServer = 127.0.0.1
DbPort = 5432
DbName = cumasdb
DbUser = cumas
DbPasswd = cumas
SyslogFascility = local4
LinesPerPage = 20
MailSaveDir = /var/cumas/spool
Incomplete = 0,1,2,3
LateDays = 3
StartYear = 2015
SessionTimeout = 6000
HostName = cumas.designet.co.jp
UnknownAttachFileName = Attachment-%s-%s.dat
3.2.2. 遅延通知メールテンプレートについて
環境設定ファイルと同様に、遅延メールテンプレートも標準のものが次の場所に配置されています。
- /usr/local/cumas/etc/NoticeMail.txt
初期内容は以下のようになっています。WebインターフェースのURLを書き換えてください。
詳細については使い方の章 (■) もしくは設定詳細 (■) を参照してください。
From: 遅延ジョブ通知システム <noreply@localhost.localdomain>
Subject: 【お問い合わせ管理】遅延対応のご連絡
以下のお問い合わせは、進捗が「{$status}」の状態になってから
{$latedays}日以上が経過しています。
カテゴリ : {$category}
お問い合わせ番号: {$contact_no}
顧客名 : {$sender}
サブジェクト : {$subject}
主担当者 : {$user}
依頼日時 : {$inquiry}
最終更新日時 : {$lastupdate}
開始予定日 : {$limit}
URL : http://example.com/contact_detail.php?id={$co_id}
3.2.3. タスク処理メールテンプレートについて
環境設定ファイルと同様に、遅延メールテンプレートも標準のものが次の場所に配置されています。
- /usr/local/cumas/etc/ReserveMail.txt
初期内容は以下のようになっています。WebインターフェースのURLを書き換えてください。
詳細については使い方の章 (■) もしくは設定詳細 (■) を参照してください。
From: 遅延ジョブ通知システム <noreply@localhost.localdomain>
Subject: 【お問い合わせ管理】タスク作成のご連絡
以下のタスクが作成されました。
登録者名 : {$operatorname}
登録者メールアドレス: {$operatoraddr}
カテゴリ :{$category}
お問い合わせ番号 : {$co_id}
件名 : {$subject}
主担当者 :{$user}
依頼日時 :{$inquiry}
内容 : {$body}
備考 : {$comment}
URL :http://example.com/contact_detail.php?id={$co_id}
3.2.4. 遅延通知メールの定期チェック
ステータス監視・通知プログラムを定期実行させることで、遅延通知メールを自動的に送信させることができます。それ用のユーザーをサーバに用意し、cronスケジュールを設定させます。
通知チェック用として、cumascheckユーザを作成します。
# useradd cumascheck
cumascheckユーザのcrontabに、以下のように記述します。この例では、毎時15分にチェックされます。
15 * * * * /usr/local/cumas/bin/cumascheck
3.2.5. タスク処理プログラム
タスク登録画面で登録されたタスク(お問い合わせ情報の自動登録)を実行するプログラムです。apacheユーザのcrontabから実行されることを想定します。
apacheユーザのcrontabに、以下のように記述します。この例では、毎時15分にチェックされます。
15 * * * * /usr/local/cumas/bin/cumasreservedtask
3.2.6. メール保存ディレクトリ
メール本文のデータを、環境設定ファイル内、MailSaveDirに記述された領域に保存します。添付ファイルなどのデータは含まれません。 ここで指定するディレクトリは、apacheユーザから書き込みと読み込みが可能である必要があります。
3.3. メールサーバ連携設定(例)
お問い合わせメールをCuMASに登録するために、CuMASの登録プログラムをメールサーバと連携させる必要があります。ここではPostfixのメールエイリアス機能を利用する例を解説します。
サポート用メールアドレスとして、「cumas_support@ドメイン名」、カテゴリ識別名として「cate_id_name」を利用する場合、以下の手順で設定を行います。
Postfix本体の設定を確認します。/etc/postfix/main.cfを以下のように修正します。
recipient_delimiter = +
転送設定を行います。/etc/aliasesファイルに以下を追記します。
cumas_support: apache+cumas_support
エイリアス設定を適用させます。
# newaliases
CuMASとの連携設定を行います。/usr/share/httpd/.forward+cumas_supportファイルを作成し、以下を記述します。
"| /usr/local/cumas/bin/cumasaccept cate_id_name"
以上の設定を行うことで、宛先(ToやCcなど)に「cumas_support@ドメイン名」を含むメールがCuMASに自動的に登録されるようになります。
これらの設定は、cumasacceptをapache権限で実行するために必要となります。単にaliasとして設定した場合、cumasacceptはnobody権限で実行されてしまいます。
3.4. データベース設定
CuMASで利用するデータベースの設定を行います。次の内容で設定する想定で解説します。
項目 | 設定例 |
---|---|
データベース名 | cumasdb |
接続ユーザ名 | cumas |
接続パスワード | cumas |
3.4.1. データベース操作ユーザ作成
データベース操作用のユーザーを作成します。以下のコマンド例は、ユーザ名、パスワードともに「cumas」とする場合です。(postgresユーザでのコマンド実行例です。)
# su - postgres
$ createuser -d -P cumas
新しいロールのためのパスワード: cumas
3.4.2. データベース作成
データベースを作成します。以下のコマンド例は、データベース名を「cumasdb」とする場合です。
また、データベースが作成された際に、進捗ステータスおよび初期のログインユーザが同時に登録されます。
進捗ステータスを独自のものに変更する場合、本手順で使用するダンプファイルを編集するか、登録後にデータベースの編集が必要になります。(設定詳細の章 ■ )
初期ユーザについては、全てのインストール手順終了後に、CuMASのWebインターフェースから設定とパスワードの変更を行う事をおすすめします。
$ createdb cumasdb -U cumas
パスワード: cumas
$ psql -d cumasdb -f /usr/local/cumas/etc/cumasdb.sql -U cumas
ユーザ cumas のパスワード: cumas
3.5. Webサーバ設定
CuMASを利用するための設定例を以下に示します。
Alias /cumas/ "/usr/local/cumas/public/"
<Directory "/usr/local/cumas/public">
Require all granted
php_value session.name "CuMAS"
</Directory>
このように設定した場合、CuMASのWebインターフェースへは次のURLでアクセスすることができます。
- http://(ドメイン名)/cumas/login.php
3.6. ログ出力設定
CuMASのログの出力設定を行います。
/etc/rsyslog.d/cumas.confファイルを用意します。以下に例を示します。
local4.* /var/log/cumas.log
ログファシリティは、環境設定ファイル ■ で設定できます。