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Canvas LMS〜Moodleに代わるOSSの学習管理システム〜
Canvas LMS〜Moodleに代わるOSSの学習管理システム〜
LMS(Learning Management System)とは、インターネット上で学習を行うeラーニングシステムにおいて、学習教材の配信や成績をオンライン上で管理するシステムのことです。「学習管理システム」とも呼ばれます。LMSを利用すれば、教材や受講者の進捗状況・成績などを一括管理できます。講師、受講者、管理者すべてにメリットがあるため、多くの教育機関や企業でLMSが導入されています。この記事では、OSSのLMSであるCanvas LMSについて紹介します。
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目次
Canvas LMSとは
Canvas LMS:ダッシュボード
Canvas LMSとは、企業の研修や大学などの教育機関で教材配信や成績の管理ができる、オープンソースソフトウェアの学習管理システム(LMS:Learning Management System)です。米国のInstructure社が開発し、ライセンスはAGPLv3で公開されています。オープンソースのLMSではMoodleが有名ですが、2018年の米国での市場調査では、マーケットシェアはMoodleが23%に対しCanvas LMSは28%と、Canvas LMSが上回りました。Canvas LMSは学習に必要な機能を集結させた学習管理システムで、世界中の大学や企業で採用され、日本の国内でも現在シェアを伸ばしています。
また、Canvas LMSはOSSとして提供されているだけでなく、クラウドサービスとしても提供されており、WebベースのSaasとしての利用も可能です。オンプレミスに構築できるOSS版とクラウドサービス版を、Canvas LMSでは環境や目的に合わせて選択して使用することができます。
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Canvas LMSの特徴
Canvas LMSの特徴は以下になります。
使いやすいインタフェース
Canvas LMSの画面は、どれも綺麗で整理されたインタフェースとなっています。またCanvas LMSは、日本語を含む多数の言語に対応しています。日本語への翻訳も、海外製品特有の直訳や間違いは少なく、ほとんどがきちんと意味がわかる内容であり、初心者でも使用しやすくなっています。
Canvas LMS:インタフェース画面
「CanvasLMS受講者マニュアル」へ
外部のIDプロバイダと連携して、認証を行うことができる
Canvas LMSは、facebookやツイッターなどの各種SNSと連携し認証が行えるよう設計されています。Canvas LMSの連携が可能な主なIDプロバイダは次の通りです。
しかし、外部IDプロバイダを利用した場合、認証の部分しか連携がされません。ユーザの名前などの属性は別の方法でCanvas LMSに登録する必要があります。そのため、Canvas LMSにはユーザなどの情報を一括でインポートする仕組みが備わっています。
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既存のシステムと連携して利用が可能
Canvas LMSには、SIS(Student Information Services)インポートといわれる、受講者の様々な情報をインポートする機能があります。ユーザ情報・認証情報や受講コース、グループなどの情報を、CSV形式のファイルでCanvas LMSにインポートすることが可能です。今現在、違うシステムで管理されている場合でも、Canvas LMSと簡単に連携することができます。またCanvas LMSのSISインポートの機能には、バッチモードというSISインポートで登録されたデータ以外のデータを削除する機能や、インポートするCSVに記載されたSIS IDと同一のSIS IDを持つデータの差分を登録する差分バッチモードがあります。Canvas LMSは、環境や運用に合わせて、登録処理を行うことができます。
脆弱性の数が少なく安全に利用できる
Canvas LMSは、過去数年で報告された脆弱性の数がとても少なく、安全なソフトウェアです。LMSとして古くから存在するMoodleとCanvas LMSで、報告された脆弱性の件数を比べると、2019年ではMoodleが16件に対し、Canvas LMSは3件と、圧倒的に少なくなっています。教育の現場で使用されるというソフトウェアの特性からも、管理者は頻繁なアップデートを避けたいため、管理が楽になります。
Canvas LMSの導入メリット
受講コースや日程の管理が楽になる
Canvas LMSでは、受講コースや講義の日程、課題の期限などのスケジュールをインターネット上で確認することができます。講師や受講者は、Canvas LMSのカレンダーを確認するだけで、自身の学習スケジュールを知ることができます。
テストの実施・テストの採点がWeb上で行える
Canvas LMSではオンラインで試験が実施できるため、費用と手間を削減できます。また、選択問題や穴埋め問題など、予め正解を登録しておける問題については、受講者がテストを提出すると自動的に採点が行われます。さらに、テストの点数や正答率の統計を表示することも可能なため、受講コースに対しての受講者の理解度を図ることも容易です。
授業の内容を再利用できる
Canvas LMSでは、コース内容のエクスポート・インポートが可能です。そのため、過去の受講コースの情報を再度利用することができます。
Canvas LMSの機能
Canvas LMSは非常に多機能なLMSであり、LMSとして古くから有名なMoodleと比較しても、劣らない機能を備えています。Canvas LMSの機能は以下の通りです。
管理者向け機能
管理者は、いわゆるシステム管理者の他に、学習カリキュラムや講師・受講者の情報登録などの役割もあります。管理者に向けた機能としては、次のようなものがあります。
講師向け機能
- 学習コースの管理
管理者が学習コースに講師を追加することで、担当講師はコースの管理を行うことができるようになります。
- 講義資料や課題、小テストの作成・添削
自身が担当する講義のカリキュラムや教材・課題を作成することができます。また学生に向けて、それらのコンテンツを公開するかどうかを決めることもできます。要綱の作成やモジュールの設定もすることが可能です。テストの問題も作成することができます。
- 受講者の受講状況の確認
- 成績一覧の確認
Canvas LMSでは、コースごとに課題の成績を管理することができます。各課題の点数だけでなく、課題全体の点数の割合も確認することができます。
- 日誌の作成
- コース内でのディスカッション
ディスカッションは掲示板のような機能です。通常のディスカッションや質疑応答といったコミュニケーションに役立つ他、受講生の提出物をコース内の受講生全員で共有することもできます。
受講者向け機能
システム管理機能
- LDAPやSAML/OIDC等の認証
- ユーザ等の情報CSV連携
- 学部・学科、コースの管理者への権限委譲
ウェビナーシステムとの連携
Canvas LMSは、ウェビナーシステムのBigBlueButtonと連携してCanvas LMSのシステム内でウェビナーを開催することができます。Canvas LMSの管理者画面で、プラグイン設定からBigBlueButtonを選択することで講義を開始することができます。BigBlueButtonと連携することで、レジュメを使用した講義の開催はもちろん、その講義のビデオ録画もすることが可能です。またBigBlueButtonには、グループチャットや共有メモ、アンケートの機能があるため、講義の内容にあわせた運用が実現できるようになります。
BigBlueButtonとの連携画面
「BigBlueButton〜OSSのウェビナーシステム〜」へ
OSSを使ったeラーニングシステム
デージーネットでは、Canvas LMSと、動画配信システムのAVideoを連携させたeラーニングシステム「LearNET(ラーネット)」を開発しました。LearNETには、デージーネットが独自に設計した、動画視聴の履歴を参照できるWebUIがあります。この画面で、ユーザのアクセス状況、どれくらい動画を視聴したのかなどを、一覧で確認することが可能です。そのため、学習の管理と動画などの教材の視聴が、このシステム内で完結します。また、シングルサインオンのOSSであるKeycloakとも連携しているため、1度のログインですべてのシステムを利用可能となっています。
LearNETの詳細へ
デージーネットの取り組み
デージーネットでは、学習管理システムを利用したソリューションの構築、保守を行ってます。Canvas LMSのインストール方法や使い方、基本的な機能などのより詳しい内容については、無料でダウンロードが可能な「Canvas LMS調査報告書」に記載しています。また、構築例や参考価格を記載したモデルプランも提供しております。
モデルプランをご希望の方はこちら
Canvas LMSのクラウドサービス
Canvas LMSはクラウドサービス版も提供されており、WebベースのSaasとしても利用可能です。なおデージーネットは、クラウドサービス版を提供しているInstructure社とパートナー契約を結んでいます。そのため、お客様のご要望に合わせて、クラウドサービス版、コミュニティ版の両方をご提案可能です。クラウドサービス版の特徴や機能、コミュニティ版との比較などは以下のページで紹介しています。
「Canvas LMSのクラウドサービス」へ
Canvas LMS 関連情報一覧
本書は、学校などの教育機関で利用できる学習管理システム(Learning Management System)である、Canvas LMSの調査報告書です。ウェビナーシステムであるBigBlueButtonとの連携についても記載しています。
学習管理システムのCanvas LMSはクラウドサービス版も提供されています。そのため、WebベースのSaasとしての利用も可能です。ここでは、クラウドサービス版の特徴と機能、コミュニティ版との比較などを紹介します。
お客様は、社内研修を管理するシステムとして、学習管理システムのCanvas LMSの導入を検討していました。しかし、構築するための技術に不安を感じていました。また、お客様が現在利用しているAzure ADでユーザ管理を行いたいというご要望でした。
Canvas LMSを利用した学習管理システムをデージーネット社内に構築した事例です。現在は、新人研修から、SE向けの技術研修まで社内の研修全てで活用をしています。
今回は、デージーネットの社内にウェビナーシステムを導入した事例です。デージーネットでは、社内向けの研修や社外向けのセミナーでこのウェビナーシステムを利用しています。ウェビナーシステムを導入したことで営業活動のお客様の層が広がり、採用活動では、採用の多様性に繋がりました。
LearNET(ラーネット)とは複数のOSSを組み合わせ、成績管理や動画の視聴状況など、受講者の管理機能を充実させたOSSのeラーニングシステムです。
AVideoとは、オープンソースソフトウェアの動画配信サーバです。撮影・録画した動画をストリーミング配信したり、リアルタイムな映像をライブ配信したりすることができ、オンプレミス環境でも利用可能です。
BigBlueButtonとは、オープンソースソフトウェアのWeb会議システムです。ウェブブラウザを使用して、遠隔の利用者とWeb会議を行うことができます。ここでは特徴や機能について紹介します。
ウェビナーとは、インターネット回線を使って行うオンラインのセミナーのことで、ウェブとセミナーを合わせた造語です。ここでは、クラウドと比較したメリットとおすすめOSSを紹介します。
Web会議システムに至っては、たくさんのサービスが存在しています。ここでは、クラウドサービスとオンプレミスのWeb会議システムについて比較します。
オープンソースの学習管理システムであるCanvas LMSとMoodleは、豊富な機能と柔軟性から多くの支持を集めています。ここでは、二つのLMSを比較し、それぞれの特徴やメリットを解説します。
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