メールマガジン

fmlからSympaへのメーリングリストシステム移行事例

ソリューション開発部 上野 貴博

今回は、製薬会社様向けに、メーリングリストシステムのSympaを導入した事例です。お客様は、特定のグループメンバーへメールを配送するためのメーリングリストシステムとしてfmlを利用していましたが、大量のメーリングリストを管理しきれず、またリストの編集権限も設定されていない状態でした。そこで今回は、デージーネットでもおすすめしているメーリングリストシステムのOSS「Sympa」の導入をご提案しました。

お客様が悩まれていた課題

お客様には以下の課題がありました。

  • 各メーリングリストの管理者を把握できていない
  • メーリングリストやメンバーの棚卸をしていない
  • メーリングリストのメンバーの編集を誰でもできてしまう

デージーネットからの提案

デージーネットからは以下の2つを提案しました。

Sympaの導入を提案

お客様はメーリングリスト管理のソフトウェアとしてfml4を利用していましたが、fml4には管理者を明確にしたり、メーリングリストやメンバーの棚卸しを行ったりするための機能がありませんでした。そこでデージーネットからは、fml4からSympaへの移行をご提案しました。

Sympaとは、多機能で柔軟なオープンソースのメーリングリストマネージャーです。Webインターフェースからリストの管理が容易にできる、強力なアクセス制御機能を備えている、多言語に対応しているなどの特徴があります。また、LDAPやActiveDirectoryと統合できるため、既存のユーザデータベースと連携した運用が可能です。メーリングリストのアーカイブ機能や、UIカスタマイズ、カスタムシナリオによる拡張性なども備えており、企業や組織のニーズに合わせて柔軟に利用できる、おすすめのメーリングリストソフトウェアです。

メーリングリストのOSSで使えるものとしてはMailman3もありますが、Mailman3は日本語化が十分ではなく、またSympaのWebインターフェースの方が見やすく使いやすいということから、今回はSympaを選定しました。

Sympaでの細かい権限調整を提案

fml4では細かい権限調整が難しく、メーリングリストのメンバーの確認・追加・削除といった操作を誰でも行うことができてしまうため、セキュリティ面で問題がありました。そこで、Sympaの柔軟な設定機能を活かして、用途に合わせて細かく権限を設定することをご提案しました。

導入時の工夫

導入にあたって以下を工夫しました。

専用の移行ツールを作成し、大量のメーリングリストを効率良く移行

今回移行するメーリングリストの数は1000個以上あったため、Webインターフェースから一つ一つリストを追加すると膨大な工数がかかるだけでなく、手作業による作業ミスが発生するリスクも高くなります。そこで、移行時間を抑えるため、専用の移行ツールを作成しました。なお、メーリングリスト作成やユーザ追加に関してはXML形式のデータを作成する必要があったため、移行ツールには、csv、xml関連のライブラリが優れているPythonを選定しました。

細かい運用に合わせたマニュアルを作成

Sympaを利用した細かい運用を意識しながら、各種手順についてのマニュアルを作成し、お客様へお渡ししました。また、導入後の使用感のギャップを減らすため、システムの設計から導入までの間も、課題管理表を共有しながら仕様について細かく説明を行いました。

導入後の結果

Sympaを導入した結果、各メーリングリストの管理者が明確になり、メーリングリストやメンバーの棚卸が適切に行われるようになりました。また、細かい権限設定を行ったことで、メンバーの一覧の公開・非公開を設定でき、メンバーの追加・削除の申請も制限され、セキュリティを強化することができました。これにより、メーリングリスト運用の透明性と効率性をより向上させることができました。

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