構築事例：fmlからSympaへメーリングリストサーバ移行

Open Smart Design

今回は、製薬会社様へメーリングリストサーバを構築した事例です。お客様は、現状fmlによるメーリングリストサーバを利用しており、メーリングリストの管理ができていないという課題がありました。

お客様が悩まれていた課題: メーリングリストの管理者がわからない; メーリングリストやそのメンバーの棚卸ができていない; メーリングリストの一覧や登録削除が誰でも行えてしまう

+導入企業プロフィール: ★
導入企業業種

製造

ユーザー規模

約5,000人

利用OS

Red Hat Enterprise Linux 9.3

導入月

2024年4月

デージーネットが提案した「fmlからSympaへメーリングリストサーバ移行」

アイコン男性

OSSのメーリングリストサーバのSympaを活用

お客様の課題を解決するメーリングリストサーバとして、OSSのSympaをご提案しました。1990年代に開発が開始された、メーリングリストを管理するためのソフトウェアです。SympaはGPLライセンスのもと、オープンソースソフトウェアとして公開されています。OSSのメーリングリストとして長らく主流だったMailman 2の開発が終了したこともあり、比較的最近になって広く使用されるようになり、多くの研究機関、大学、企業で採用されています。

Sympaは、WebUIからメーリングリスト管理が可能で、メーリングリストの作成はもちろん、メーリングリストの管理者やメンバーの確認、メンバーの追加削除をWebUIから行うことができます。

Sympaは、メーリングリストに関連する設定が豊富に存在するため、管理者のみが設定変更をできる仕様や誰でも変更ができるなど、自社の用途やポリシーに合わせた運用を行うことができます。メーリングリストの一覧や登録削除が誰でも行えてしまうという課題も、この設定を管理者のみが設定変更できるように変更することで解決が可能です。管理WebUIへの認証は、Active Directoryのユーザ情報を参照することで、既存のユーザ情報をそのまま利用できるような提案を行いました。

Sympa構成イメージ

fml4からのメーリングリストデータ移行を提案

現状利用していたfmlでは課題を解決することが難しく、別のOSSのメーリングリストソフトウェアであるSympaを提案しました。別のソフトウェアに移行することを提案したため、現状利用しているfml4のメーリングリストデータもSympaに移行することを提案しました。

導入にあたっての工夫

導入にあたっては、以下の2点を工夫しました。

Sympaの仕様について細かく説明

今回の導入にあたり、課題を一覧で管理し、設計時から導入まで細かく仕様についてお客様に説明を行いました。設計時から利用イメージをお客様にお伝えしていたことや、お客様自身で行うことができるように運用手順書を納品することで、導入後の使用感の差異もなく利用していただけました。

メーリングリストデータを効率よく移行するためのツールを作成

既存のメーリングリストデータを移行する際に、pythonを使った移行ツールを作成し対応しました。今回移行するメーリングリスト数が1500個以上と非常に多く、構築段階から移行時間を意識して対応しました。

シェルスクリプト等でも移行ツールを作成することは可能でしたが、移行ツール側の仕様でボトルネックになる可能性やメーリングリスト作成やユーザ追加に関してはXML形式のデータを作成する必要がありました。そのため、csvやxmlのライブラリが優れているpythonを選定し移行ツールを作成しました。

導入後の結果

アイコン女性

導入の結果、各メーリングリストの管理者が明確になり、メーリングリストやメンバーの棚卸が適切に行うことができるようになりました。さらに、メーリングリストの一覧表示や追加・削除の作業を行うことができるメンバーが制限されたため、セキュリティが強化されました。これにより、運用の透明性と効率性が向上しました。

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