構築事例:OpenLDAPによるLDAPサーバのマルチマスタ構成
OpenLDAPのミラーモードでLDAPサーバを二重化しました。認証システムの冗長構成が求められていましたが、冗長化ソフトウェアの導入はコスト面で問題がありました。OpenLDAPの柔軟性を活用し、OpenLDAP標準機能であるミラーモードを使う事で、特別な冗長化ソフトウェアを使わずに、認証システムを冗長化しました。
- お客様が悩まれていた課題
- 認証サーバが止まると他のシステムへの影響が大きい
- 冗長化ソフトウェアは高コストで導入に踏み切れない
- +導入企業プロフィール
- ★
導入企業業種
情報・通信(愛知県名古屋市)
ユーザー規模
10万アカウント
利用OS
Linux(Red Hat Enterprise Linux 6)
導入月
2013年4月
デージーネットが提案した「OpenLDAPによるLDAPサーバのマルチマスタ構成」
OpenLDAPのミラーモードを活用して、LDAPマルチマスタで構成
アカウントの管理を行うLDAP認証システムに関して、冗長構成によるサービス継続性を求められていました。しかし、OSSのOpenLDAPを使えばコストは抑えられますが、冗長化ソフトウェアとOpenLDAPの両方を採用したシステムでは導入コスト、運用コストが高くなってしまうという問題に直面していました。
OpenLDAPのミラーモードを採用
OpenLDAP2.4から実装されているミラーモードを利用して、OpenLDAPマルチマスタ構成を提案しました。OpenLDAPのsyncレプリケーションでは、LDAPプロバイダ(更新用)サーバに障害が発生した場合、LDAPコンシューマ(参照用)サーバをLDAPプロバイダサーバに昇格させる等の調整が必要です。しかし、OpenLDAPマルチマスタ構成にすれば、障害発生時にもOpenLDAPによる認証システムの運用を継続することができます。また、この機能は、OpenLDAPの標準機能なので、冗長化ソフトウェアも必要ありません。
更新用OpenLDAPサーバを固定することでトラブルを回避
OpenLDAPのミラーモードでは、2台のOpenLDAPサーバに同時に更新を行うと問題が発生する場合があります。そのためロードバランサで更新リクエストを1台のOpenLDAPに限定するようにすることで、問題を回避しました。
OpenLDAPによるLDAPサーバの動作確認
OpenLDAPのミラーモードを利用しているため構成はシンプルです。しかし、OpenLDAPの設定には、細かい調整が必要でした。そのため、OpenLDAPの切り替えに問題がないか、システムを厳しく動作確認しました。
導入後の結果
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