構築事例：Dockerコンテナを活用した全文検索システムの構築

Open Smart Design

今回は、SIer様へ Dockerを使った全文検索システムを構築した事例です。お客様は、全文検索システムとしてFessを利用していました。最新版にアップデートを希望されていましたが、最新版のFessは、利用しているOSへの対応を終了していました。稼働中のシステムへの影響を最小限に抑えてアップデートをご要望していたため Dockerコンテナを活用し、Fessのアップデートを行いました。

お客様が悩まれていた課題: アップデートにより既存システムに影響を与えるリスクがある; カスタマイズされたFessをトラブルなく移行できるか不安; 移行作業に手間やコストがかけられない

+導入企業プロフィール: ★
導入企業業種

情報通信

ユーザー規模

約2500人

利用OS

Ubuntu 20.04

導入月

2024年3月

デージーネットが提案した「Dockerコンテナを活用した全文検索システムの構築」

アイコン男性

Dockerコンテナを活用し、Fessをアップデート

お客様が利用しているFessはアップデート作業が難しくバージョンアップを行った際に、既存システムに影響を与えるリスクがありました。またFessを独自にカスタマイズしていたため、トラブルなく移行できるか不安がありました。そこで、デージーネットではDockerのコンテナ上にFessおよびOpenSearchを導入することを提案しました。

Dockerとは、コンテナ型仮想化を実現するオープンソースソフトウェアです。コンテナ型仮想化は省リソースで効率よく動作することができ、OS環境の制約を受けにくいという特徴があります。今回、FessをDocker上で構築することによって以下のようなメリットがあります。

サーバのセットアップやバージョン管理が容易になる
コンテナイメージを作成して現地導入することで作業負担の軽減、リスクを最小限にできる
コンテナ上で、既存のバージョンのFessを稼働させ切替のリスクを抑えることができる

カスタマイズされたFessのコンテナイメージを作成

お客様が既に利用されていたFessには、お客様独自のカスタマイズがされていました。移行や切替の際にカスタマイズされた部分が正常に移行できるかお客様も不安に感じていました。そのため、デージーネットでは、予めカスタマイズされたコンテナイメージを社内で作成してから現地での導入を実施することを提案しました。これにより、現地で設置をした際に、カスタマイズされた部分の再設定をすることや万が一のトラブルも回避することができるようになります。

導入にあたっての工夫

導入にあたっては、以下の2点を工夫しました。

事前の設計・手順を社内で検証

設定や手順を社内環境で徹底的に検証し、現地での作業を簡略化しました。事前に既存サーバの設定状況を詳細に調査し、Dockerイメージを作成するなどDockerコンテナに適用するための最適な設定を設計に反映しました。社内で事前に手順検証を行うことで、現地作業時に想定外のトラブルを減らし、短時間で確実に動作確認を終えられるよう準備しました。社内でできる限りの準備を行ったことでリスクを低減させることができました。

既存サービスが停止しないよう並行稼働を実施

切替の際には、既存のFessサーバを並行稼働しながら実施しました。万が一、切替後に問題が発生しても旧サーバに戻すことでサービス停止を回避することができました。これによりスムーズな運用移行が可能になりました。

構成図

導入後の結果

アイコン女性

導入の結果、Dockerイメージを利用したことで切替のリスクを抑えながら導入を完了でき、サービスの停止も最小限に抑えられました。Dockerコンテナを用いた新しいFessサーバの導入により、FessとOpenSearchのバージョンアップが行われ、最新のセキュリティ対策やパッチが適用されたことで不具合の修正も反映されたため、システムの安定性が向上しました。コンテナになったことでバージョン管理がしやすくなり管理者の負担も軽減されました。

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