構築事例:オンラインストレージNextcloudサーバの移行
お客様は、以前よりオンラインストレージのOSS、Nextcloudを利用しており、Nextcloudのサーバ更改時期に伴いリプレースを検討していました。また、ソフトウェアの脆弱性の情報や、バージョンアップの対応ができる保守ベンダーを探していました。そこで弊社で、Nextcloudサーバの移行から保守運用までを提案し実施した事例についての記事です。
- お客様が悩まれていた課題
- Nextcloudのバージョンアップ方法がわからない
- データの引継ぎ方法もわからない
- Nextcloudの管理画面のエラーが自分で改善できない
- +導入企業プロフィール
- ★
導入企業業種
製造業
ユーザー規模
80名
利用OS
Red Hat Enterprise Linux 8.6
導入月
2023年1月
デージーネットが提案した「オンラインストレージNextcloudサーバの移行」
オンラインストレージNextcloudの移行から保守までを提案
お客様は以前より、データの保存やファイル共有に、オンラインストレージのNextcloudを利用していました。Nextcloudは、DropboxやGoogle Driveのようなオンラインストレージを構築できるオープンソースソフトウェアです。インターネット上に専用のストレージを構築し、ファイルのアップロードやダウンロードはもちろん、Nextcloudに登録されたユーザ同士でファイルを共有して編集することができます。オンラインストレージのメリットとして、メールにファイルを添付して送付する場合と比べ、ファイルサイズの制限が緩く大容量のファイルの共有も可能です。今回、Nextcloud更改時期に伴い、現在利用しているNextcloudサーバを新しいオンラインストレージサーバとして構築し、中にあるデータを全て移行する方法を提案しました。
Nextcloudは、オープンソースのためソフトのライセンス料金がかからず利用することが可能です。しかし、自社でインストールした場合、ソフトウェアの脆弱性情報の取得・セキュリティ対策や、バージョンアップの対応を自分たちで行う必要があります。そのため、弊社では構築後の保守として、弊社の導入後支援サービスのOpen Smart Assistanceを提案しました。弊社の保守サービスでは、Q&Aや障害調査の他に、ソフトウェアの脆弱性情報を配信します。
今回、Q&Aや障害対応については基本の保守サービス内で対応し、ソフトウェアの脆弱性などのセキュリティ情報が送付された際に、お客様サーバでアップデートが必要か不要かの確認を、保守のオプションのアップデート適用サービスで対応する提案をしました。脆弱性以外のアップデートについては、弊社のクーポンサービスで対応するようにしました。
システムを極力止めないデータ移行の方法を提案
現行システムでは、ファイルの総容量が大きく、移行する際の同期時間が1週間以上かかってしまうかもしれないリスクがありました。業務に支障をきたさないよう、現行システムを止めずにデータの移行を行うことを前提とした上で、最短1日で切替作業が実現できるように以下の提案を行いました。
- 現行で利用しているNextcloudファイルを新サーバへすべて同期
Nextcloudに保管されているすべてのデータを、現行サーバを動作させたまま、新しく作成した新サーバへ同期を行いました。これにより、切替の時までに半分以上のデータを既に移行させているため、スムーズな移行を行うことができます。
- 同期終了から移行までの差分を定期的に同期
- データ移行後にアップデート
現行サーバと新サーバのデータの差分を無くした後に、Nextcloudのアップデートを行いました。アップデートは、一気に最新バージョンにすると、使いたい機能がなくなってしまったり、連携している他システムとの不具合が見つかる可能性がありました。そのため、徐々にバージョンを上げていくようにしました。
一つ目で提案した、新サーバへの同期から、現行のサーバを動作させたまま、移行までに増えたデータの差分を定期的に同期するようにしました。定期的に同期を行うことで、移行でのリスクを最小限にしました。
新サーバ内に検証用と本番用のNextcloudを同居させることを提案
Nextcloudは、オープンソースの中でもコミュニティが活発で、アップデートも多く行われているソフトウェアです。そのため、定期的にバージョンアップを行う必要があります。しかし、本番用の環境をバージョンアップする場合、今まで利用できていた機能が変更されてしまうなど業務に影響がでる可能性があります。そのため、事前のテスト用に、新サーバ内に検証用のサーバを用意することを提案しました。これにより、Nextcloudのアップデートがあった際に、検証用の環境を使いバージョンアップを先に行い、問題ないかを確認してから本番環境のバージョンアップが実施できるようになりました。2つのサーバを用意することで、バックアップの役割も担うことができます。
導入時の工夫
導入時には、以下の工夫を行いました。
切替リハーサルを行い、動作の確認を実施
既存サーバーのデータのコピーは、夜間に自動で行われるように設定し、切替リハーサルで利用するようにしました。リハーサルの実施により、本番の切替作業前に、発生する可能性のある問題をまとめ、対処をどうすればよいのか事前に把握することが可能になりました。その結果、本番の作業ではスムーズに移行を行うことができました。
事前に連携するシステムの動作確認を行う
Nextcloudは機能追加も多いことが特徴のソフトウェアです。今回移行した新サーバのバージョンから、既存のファイルサーバを参照する機能が追加されました。この機能により、例えば自宅といった外部のPCなどからでも、ブラウザからWindowsなどのファイルサーバにアクセスすることが可能になりました。そこで切替前に、実際に既存ファイルサーバのデータ参照機能を使うことができるのか、事前にテストを行ってから切替作業を実施しました。
導入後の結果
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