システム構築

構築事例:全文検索サーバFessの導入

Open Smart Design

ファイルサーバの検索性能向上を検討されていたお客様に、高速に全文検索を行うことができるOSSの全文検索システム「Fess」を導入した事例についての記事です。また、ファイルサーバの権限から検索対象の制限を設定したいという使い方のご希望に合わせ、システムを構築しました。

お客様が悩まれていた課題
書類データを探すのが手間
データの検索に時間がかかる
サーバの閲覧権限が反映されず誰でも検索できてしまう
+導入企業プロフィール
導入企業業種

情報・通信

ユーザー規模

2500名

利用OS

Ubuntu 20.04 LTS

導入月

2022年8月

デージーネットが提案した「全文検索サーバFessの導入」

アイコン男性

解決ポイント

Windowsファイルサーバの全文検索が行えるFessを導入

Fessは、高速に全文検索ができるOSSです。CodeLibs Projectによって開発され、Apacheライセンスでオープンソースとして提供されています。Fessを使うことにより、様々なデータをインデックス化し、全文検索を行うことが可能になります。例えば、WEBのデータ収集とデータの全文検索、ファイルサーバの文書データ収集とデータの全文検索、データストア(csv、RDBMS、Opensearch等)からドキュメントのデータ収集を行い、Google検索のような画面から簡単な操作で全文検索を行うことができます。対応しているファイル形式も非常に多く、MS Office形式(xls,xlsx,doc,docx,ppt.pptx)、XML/HTML、圧縮ファイル(zip,tar,gz)など、多種多様なデータの全文検索が可能です。

今回は、お客様のご要望に合わせ、Windowsファイルサーバの全文検索を行えるシステムを導入しました。Fessを利用することで、ファイルの件名はもちろん、ファイル内の文章も検索の対象とすることができ、そのファイルがサーバのどこに保管されているかも表示されるため、欲しい資料をすぐに見つけることが可能になります。

また、Fessは標準で、検索エンジンのElasticsearchOpensearchをデータベースとして採用しているため、高速に大量のファイルの検索が可能になります。さらに、OCR機能を利用すると、PNGやPDF形式の画像に含まれる文章の検索もできるようになります。スキャナで取り込み保存した紙の文書も検索できるようになることで、ペーパーレス化を推進しつつ業務効率の向上も実現できるという特徴があります。

Active Directoryと連携を提案

お客様は、Active Directoryでユーザ管理を行っており、ファイルサーバへのアクセス権も設定されていました。しかし、現行の検索システムでは閲覧権限が反映されず、誰でも中のドキュメントを検索できてしまうという問題がありました。そのため、Fessと連携させることにより、Active Directoryで行っているグループ権限で検索対象を制御できるような提案を行いました。これにより元からの閲覧権限が反映されるようになり、その上システムのユーザ管理をまとめて一元で行えるため、管理の手間も軽減されました。Active Directoryは、お客様ごとに管理の仕方が違うため、どのような構成でユーザ登録しているのか、認証はどのようにできればいいのかお客様と相談し設計を行いました。

Fess構成図

ファイル容量が増えることを想定した設計

今後サーバー内のファイルが増えることを想定し、Fessを複数構成でも稼働できるように設計をしました。Fessには、あらかじめクローリング開始時間を設定しておくことで、その時間になると自動的にクロールを実行し情報を収集する機能があります。しかし、ファイル容量が多くなるにつれてクローリングの負荷も高くなっていきます。そのためファイル容量から1週間のクローリングの負荷を調整し、均等に配分されるよう設定しました。これにより、アクセスが集中した場合にも、早く検索が行えるように対応しました。

アクセス権の統一

システムの導入時、Active Directoryの連携の際に登録されている各ユーザの権限について確認しました。お客様は、Active Directoryに登録されているグループの設定方法が複雑になっていたため、その構造について特によく確認しました。そして、現行の権限を生かしてスムーズに利用していただけるように、Fessを設定する際に調整しました。

導入後の結果

アイコン女性

導入の結果、ファイルシステムから探したいファイルを検索窓からすぐに検索して探せるようになり、便利になりました。どこに保管されているかファイルの保存先も表示されるので、実物のファイルの置き場所もわかるようになりました。また、既存Active Directoryサーバとユーザ情報を連携したことによって、今まで設定したユーザ権限と同じ指定の権限を持つユーザのみが全文検索システムを利用できるようになりました。

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