構築事例:SambaによるWindowsファイルサーバの冗長化
Sambaを使って、Windowsネットワーク用のファイルサーバを構築しました。ファイルサーバが故障し、業務が停滞することがないよう、ファイルサーバの冗長化も行いました。冗長化は、OSSのクラスタソフトウェアであるPacemakerとcorosyncを使って行いました。また、万一に備えてSTONITHも導入しました。
- お客様が悩まれていた課題
- ファイルサーバがハードウェア障害により頻繁にとまってしまう
- ファイルサーバが停止すると業務の遂行に支障がでる
- 社内に技術に詳しい人がいない
- +導入企業プロフィール
- ★
導入企業業種
放送
ユーザー規模
40名
利用OS
CentOS 6
導入月
2015年
デージーネットが提案した「SambaによるWindowsファイルサーバの冗長化」
PacemakerとCorosyncで、Sambaサーバを冗長化
使っているファイルサーバがハードウェア障害により頻繁に停止して困っているということで、相談がありました。お話を伺ったところ、ファイルサーバの停止によって、業務が滞り社内からも苦情が来ているということでした。お客様の社内には、技術に詳しい人がいないことも課題ということでした。
Sambaを使ってファイルサーバをリプレース
デージーネットからは、Sambaを使ってファイルサーバをリプレースすることをご提案しました。Sambaは、Linux上で動作するWindowsファイル共有用のソフトウェアで、ActiveDirectoryなどとも連携することができます。これまで通りのアクセス権なども引き継ぐことができ、障害があった場合にはデージーネットからリモートでの対応も可能なことから、お客様にも気に入っていただきました。
PacemakerとCorosyncを使って冗長化
さらに、OSSのクラスタソフトウェアであるPacemakerとCorosyncを使って、2台のPCサーバでファイルサーバを冗長化する構成を提案しました。万一、一台のサーバが故障しても、自動的にもう一台のサーバがサービスを引き継ぎます。そのため、ハードウェア故障による業務の停滞を防ぐことができます。
DRBDを使って、2台のサーバでデータをミラーリング
また、2台のサーバ間では、DRBDというソフトウェアを使ってファイルサーバ上のデータをミラーリングします。そのため、バックアップの役割も担い、データの安全性も高めることができました。
スプリットブレイン
PacemakerとCorosyncを使った冗長構成では、2台のサーバがお互いに監視をして、どちらか片方のサーバでファイルサーバの機能を提供します。しかし、万一2台のサーバの間の通信に異常が発生すると、両方のサーバがファイルサーバの機能を提供しようとするスプリットブレインと呼ばれる現象が発生する危険性があります。スプリットブレインが発生すると、ユーザのファイル更新がどちらのサーバに行われたかが分からなくなり、最悪の場合にはファイルの更新情報が失われてしまう可能性があります。
STONITHを導入
スプリットブレインの問題を防ぐため、私たちはSTONITHという機能を導入しました。STONITHは、稼働サーバとの通信が取れずに待機系のサーバへ切り替えが行われるときに、稼働サーバの電源を強制的に切断する機能です。PCサーバのマネージメントボードと連携してSTONITHを利用することで、スプリットブレインが発生する可能性を最小限に抑えることができます。STONITHの導入によって、より安心してファイルサーバを利用することができるようになりました。
導入後の結果
Windowsファイルサーバを更新してから、悩まされていたファイルサーバの停止は発生しなくなりました。ネットワークの不調から、何回かクラスタソフトウェアが発動し、サーバの切り替えもおきましたが、想定通りに待機サーバに切り替わり、業務に支障が発生することはありませんでした。問題が発生した時には、デージーネットからリモートで状況の確認を行いました。お客様からは、サポートについても高い評価を頂くことができています。
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