構築事例:Icinga2+Grafanaを利用した監視システム構築
教育機関のアクセスポイント等のネットワーク機器を監視する監視サーバにIcinga2とGrafanaをインストールして構築しました。Icinga2は、Nagiosという監視ツールから派生して開発されたシステム監視のためのオープンソースソフトウェアです。Icingaプロジェクトというプロジェクトで開発され、IcingaWebやAPIコンポーネントなどの新しい機能の追加が行われました。Icingaのバージョン2では、Nagiosから引き継いでいたコアフレームワークを書き換えて、処理の効率化や新機能の追加が行われました。Icinga2のWEBインタフェースはデージーネットで日本語対応を行い、公開しています。弊社で構築した場合には、日本語化したWEBインタフェースを提供しています。
- お客様が悩まれていた課題
- 通信が遅くなったり、通信できない状態になった際、それを検知したり障害の原因を特定する方法がない
- 障害発生前にトラフィック増加等を検知するなどの事前の対策が取れない
- 大量機器の監視設定を1つ1つ設定するため手間がかかる
- +導入企業プロフィール
- ★
導入企業業種
情報・通信
ユーザー規模
500台以上
利用OS
CentOS 8
導入月
2020年4月
デージーネットが提案した「Icinga2+Grafanaを利用した監視システム構築」
監視のOSSにIcinga2、BIツールにGrafanaを採用
Icinga2の監視はすべてデフォルトでプラグイン化されて配布されており、プラグインで監視項目を柔軟に変更することができます。Icinga2では監視の種類も、pingやhttp、smtp、dns等の基本的なプロトコルや、CPUやメモリ、ディスク容量等のリソース監視など様々な監視を行うことができます。このプラグイン自体いくつかの引数を持つ単純なスクリプトのため、プラグインを作成することでIcinga2に独自の監視を実装することも可能になります。
またIcinga2は、サーバとしても、エージェントとしても動作することができます。それだけでなく、監視の権限を委譲されたサテライトとしても動作が可能です。この特徴から、今回は監視のソフトウェアとしてIcinga2を選択しました。
しかし、Zabbixより認知度が低いOSSであったため、Icinga2できることや画面イメージなどの項目を提案書にまとめて説明をし、お客様にもご納得をいただきました。また、Icinga2で取得したデータをGrafanaでダッシュボードとしてWeb上で表示させる構成にしました。Icinga2でのグラフ化設定は、Grafanaモジュールの設定が完了後すぐに表示されるため、個別のグラフを作るための特別な設定は不要です。Grafanaで収集したデータをグラフ化することで一目で状況を確認、分析することが可能になりました。
Icinga2の歴史や特徴など詳細な情報は、「Icinga2〜コマンドでも使える監視OSS〜」に記載しています。
監視対象が多い、ネットワーク機器の監視設定
Icinga2の監視テンプレートを社内で作成しておくことにより、お客様が監視設定を行う際、監視対象のホストのIPアドレスと任意の名前を付けるだけの状態で納品を行いました。これにより今まで、サーバにログインしWebUIから1つ1つ設定を追加入力していた作業を、viコマンドのマクロ機能等を活用し、コマンド操作で一括登録ができるようになりました。そのため、時間コストを削減し500台以上のサーバの設定を行うことが出来ました。
障害発生時の対応
Icinga2を用いて監視を行うことによって、障害発生時の状況をWebUIにアクセスし、確認する事が可能になりました。さらにデータは、Grafanaでグラフ化することで、能動的に障害を検知し対応を行うことを可能にしました。
導入後の結果
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Icinga2+Grafanaを利用した監視システム構築の関連ページ
- Icinga2〜コマンドでも使える監視OSS〜
- Grafana〜ダッシュボードツールでデータを可視化〜
- 無料で使えるOSSのBIツール比較6選
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- icinga2調査報告書
- Grafana調査報告書
- 2019年3月 メールマガジン記事「Icinga2」