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DXツールを無料のOSSで導入するメリットとは?おすすめ17選と選び方
DXツールを無料のOSSで導入するメリットとは?おすすめ17選と選び方
近年、働き方改革の推進に伴い、企業や自治体の業務効率化を実現するDXツールが注目されています。しかし、セキュリティや費用の問題、IT人材不足のほか、「そもそもDX化に役立つツールとして何を選ぶべきか分からない」といった悩みなどから、なかなかツールの導入が進まない企業や自治体も多いようです。この記事では、DXツールとしてOSSを利用するメリットを解説し、DX化に役立つツールを以下のカテゴリ一覧から紹介いたします。
DXとは?
DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、企業や組織がデジタル技術を利用して業務プロセスやサービスを変革し、業務の効率化や改善、または全面的に業務を再構築することを意味します。ここで言う変革とは、従来のアナログな業務プロセスをただデジタル化することではなく、ビジネスの激しい変化に対応するため、デジタルテクノロジーを利用してビジネスモデルやプロセスを変革し、新たな価値を創造することを意味しています。
そして、DXのために使用されるソフトウェアやプラットフォームなどの総称をDXツールと呼びます。DXツールには、クラウドコンピューティング、ビッグデータ分析、人工知能(AI)、自動化ツール、ノーコード・ローコードツールなどが含まれます。これらは業務のスピードと柔軟性を高め、コストを削減し、全体的なパフォーマンスを向上させることを目的としています。
DXツールとしてよく導入されるのが、営業活動を支援するSFA(セールスフォースオートメーション)やCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)、マーケティング活動を支援するMA(マーケティングオートメーション)などがあります。これらを駆使してDXを推進し、他社との差別化を図ることで、顧客体験の向上につながり、競争力を高めることができるのです。
DX推進の現状と課題
近年、大企業や政府の間では急速にDX推進に対する取り組みが進められています。各業界でAIやIoTといった新しい技術の導入や、DX推進のための体制の整備・強化が行われ、この動きは今後も加速していくことが予測されます。一方で、中小企業や地方自治体では、コストの問題やIT人材の育成不足、組織改革の難しさなどが障壁となり、DX推進が遅れているという実態があります。また、DXを進めるためのIT基盤(ITインフラ)の整備が追い付いていない状況や、セキュリティポリシーへの対応が必要となることも、DX推進がなかなか進められない要因となっています。
DX化のメリット
企業でDX化を進めることで、以下のようなメリットがあります。
業務効率化とコスト削減
DX化の大きなメリットの一つとして、業務効率化とコスト削減があります。従来の紙ベースや人力に依存した業務プロセスをデジタル化することで、ミスや抜け漏れを削減し、作業スピードを飛躍的に向上させることができます。例えば、リモート環境でも簡単にデータを共有・管理できるツールを使えば、プロジェクトの進行をスムーズに行うことができます。
また、効率化により、人件費や運用コストの削減が期待できます。例えば、手作業で行っている業務を自動化すれば、人的リソースをより付加価値の高い業務に振り分けることが可能になります。これにより、経営資源を効率的に活用でき、コスト削減と収益向上の両立が実現します。さらに、業務プロセスを見える化することで、無駄なコストや非効率的な作業を特定しやすくなり、継続的な改善につなげることも可能です。
顧客体験の向上
DX化は顧客体験の向上にも大きく貢献します。顧客のニーズは多様化しており、それに応えるためにはデータを活用したサービスが不可欠です。例えば、BIツールを活用して顧客の受注履歴や行動データを収集・分析することで、最適なサービスを提供することが可能です。
また、DXにより顧客対応をデジタル化することで、サービス提供の迅速化も実現します。例えば、問い合わせ管理システムを活用することで、案件の一元管理、スピーディーな顧客対応が可能となり、顧客満足度の向上にも効果をもたらします。
競争力の強化
DX化は、企業の競争力を大幅に強化する鍵となります。市場環境の変化が激しい中、迅速に対応できる柔軟性と、他社との差別化が求められます。DXにより、企業は市場や顧客データをリアルタイムで分析し、新しいビジネスチャンスを迅速に見極めることが可能になります。これにより、より市場に適したサービスをタイムリーに展開できます。
さらに、DX化は新しいビジネスモデルの創出にもつながります。たとえば、IoT技術を活用したり、データを基盤にしたサービスを提供したりすることが可能になります。また、DX化によって他社とのコラボレーションやパートナーシップをスムーズに進めることで、競争力をさらに高めることができます。
DXツールとしてOSSを利用するメリット
上記で挙げたように、DXツールの導入にはさまざまな障壁があります。しかし、オープンソースソフトウェア(OSS)として公開されているツールを使うことで、これらの課題を十分に解決できる可能性があります。なぜOSSがDX化に役立つのか、その理由を次で紹介します。
ライセンス無料で導入できる
製品やクラウドベンダーが提供するツールは、利用者数によるライセンス制をとっているものが多く、利用人数によっては年間数百万円もの高いコストがかかる場合があります。
一方、OSSはライセンス無料で利用することができます。クラウドサービスと違い、アカウント数などの制限がなく、月額料金などもかからないため、利用者数などによってはコストメリットが大きくなる場合があります。また、ツール導入後のライセンス管理やリプレースにかかる費用を抑えることができるため、その分、ITインフラの整備やマニュアル・社内教育等、DX推進に必要な部分に費用を充てることができます。
他のシステムとの連携がしやすい
一般的な製品やクラウドサービスでは、連携可能なシステムやデータベースが限られている場合が多いです。一方OSSでは、連携できるシステムに制限は設けられていません。既存で利用しているシステムとも連携しやすいので、業務のシステム化の幅を広げることができます。
オンプレミス環境で使える
セキュリティ関連の制約が厳しい自治体や、個人情報や機密情報を扱う企業の場合、情報漏えいのリスクなどの安全性を気にして、なかなか外部サービスを利用しにくいといった事情もあります。その点、OSSは自社内のオンプレミス環境にシステム構築ができるため、データを自社のサーバ上に保存しながらツールを利用することができます。そのため、セキュリティポリシーの厳しい企業や自治体でも、組織内の閉鎖ネットワーク環境下で安心して利用することが可能です。
また、もし障害等でインターネットが使えなくなった場合でも、組織内のネットワークでシステムが完結していれば、外部の影響を受けにくいというメリットもあります。業務を止めずにツールを使い続けられるため、トラブルや事故を最小限に抑えることができます。
DXツールの選び方
DX化の推進を成功させるためには、自組織の課題や目的を明確にしておく必要があります。これらの方針を明確にしたうえで、ツールを導入する際は以下のような選定ポイントに沿って判断するとよいでしょう。
エンジニアでなくても直感的に使えるか
成果をあげるために社内業務のシステム化を浸透させたくても、実際にツールを使う社員が簡単に操作できなければ使われなくなってしまい意味がありません。特に、営業部や経理部などの各部署に渡って、日常的にシステムを利用するケースでは、専門的なITスキルを持っていない者でも簡単に扱える必要があります。そのため、直感的で見やすく使いやすいユーザーインターフェース(UI)を持った、操作性の良いソフトウェアを選びましょう。また、複雑な操作が無ければ、その分トレーニングにかかる時間と従業員の負担軽減にもつながります。
一方で、専門的な知識を持つIT技術者も利用する場合は、独自にカスタマイズできる機能を搭載した拡張性の高いツールが適しています。組織のニーズや業務内容に合わせて細かく調整することができるため、利用者の満足度にもつながります。
長期的に使えるか
DX化の対象となるのは組織の重要なシステムであることが多いため、万が一トラブルが起きても、業務を止めずに運用し続けることができるかどうかは非常に大切なポイントです。最近では、クラウド基盤に障害が起きたことでサービスが使えなくなってしまった、突然ベンダーが提供するクラウドサービスがサポート終了してしまったといった事案もよくあります。そのため、提供元のサポート期間を事前によく確認しておく、サーバを冗長化した仕組みにして障害などのトラブルに備えておくといった対策も検討しておく必要があります。
セキュリティ対策やサポート
個人情報や機密情報を扱う企業や自治体では、データを安全に保管・保護できるかどうかの安全性のチェックも欠かせません。組織でセキュリティポリシーが定められている場合は、その内容に準拠しているかどうかも導入前に注意しておくとよいでしょう。また、万が一トラブルや事故が発生してしまった場合に、提供元から迅速なサポートが得られるかどうかも重要なポイントです。
コスト
費用面でツールを選ぶ場合は、初期費用だけでなく、運用コストやライセンス費用、メンテナンス費用を含むトータルコストを考慮することがポイントです。利用するユーザの規模がそれほど大きくなければ、SaaS型ツールで初期費用を最小限に抑えて、比較的安価に導入できる可能性があります。一方で、オープンソースソフトウェアはシステムを構築する初期費用がかかりますが、ユーザ数ごとのライセンス費用がかからないため、利用人数が今後増えていく可能性があっても費用を気にせずに使い続けることができます。
利用開始時期
組織によっては、DX化へのスピードが求められることもあるため、短期間で導入できるツールを選ぶことも重要です。例えば、クラウド型のツールはインストールやサーバ構築が不要なため、すぐに利用を開始できます。また、導入後、操作方法を学習する期間も考慮すると、直感的な操作性や手順マニュアルの充実度も重要になります。なお、オープンソースソフトウェアを使う場合、デージーネットが提供しているアプライアンスサーバであれば、すでに必要なOSの設定やソフトウェアが既にインストールされた状態で納品されます。そのため、通常必要となるシステム構築の期間を省略して、すぐに利用を開始することができます。
アプライアンスサーバの詳細はこちら
以下では、DX化に活用できるツールを種類ごとに一覧で紹介します。
コミュニケーションツールは、Web会議、ビジネスチャットなど、社内・社外のメンバー同士やチーム間でのリアルタイムなコミュニケーションを促進するツールです。クラウドサービスでは、Microsoftが提供するTeamsや、Zoom、Slackなどが代表的です。コミュニケーションツールによって、離れた場所にいてもスムーズに情報共有を行うことができ、迅速な意思決定につながります。これにより、業務をより効果的に進めることができ、生産性向上に大きな効果が期待できます。ここでは、コミュニケーションツールとして使える以下のOSSを紹介します。
Jitsi(Web会議)

Jitsiは、OSSのWeb会議ツールです。専用のアプリケーションやアカウントを用意しなくても、指定したURLへアクセスすることで、Webブラウザからすぐにオンライン会議を始めることができます。複数人でのグループ会議も可能で、スマホ用のアプリでも利用することができます。また、Web会議内でチャットやアンケートをすることも可能です。
Jitsiの活用例として、別のソフトウェアと連携させてホワイトボードやテキストを共同編集しながら会議をすることも可能です。例えば、会議をしながら話し合った内容を参加者同士で書き込んでいくことで、Web会議と議事録作成を一度に完了することができます。従来のWeb会議では、担当者が会議後に議事録を作成する時間と手間がかかっていましたが、その負担を大幅に軽減することができます。
BigBlueButton(Web会議)

BigBlueButtonも、OSSのWeb会議ツールです。Jitsiと比べて動画配信や共有メモなどの機能が充実しているため、ウェビナーや研修などの利用に最適です。Web会議の中で参加者を小さなグループに分ける「ブレイクアウトルーム」という機能があり、セミナー中にグループワークやディスカッションを実施したい場合や、ミーティング中に各部署ごとで打ち合わせをしたい場合などに活用できます。また、後述する学習管理システムのCanvas LMSと連携することができます。これを活用することで、ウェビナーで実施した研修の録画を教材として何度も繰り返し使えるため、教育担当者の準備にかかる手間が無くなります。
BigBlueButtonを利用することで、今まで対面で直接行っていた社員教育や研修を、離れた場所からでも行えます。従来の対面型のセミナーでは移動や会場の確保に時間的・費用的コストがかかってしまいましたが、BigBlueButtonでウェビナーを実施することでそれらのコストを削減でき、その分ウェビナーの内容や頻度を充実させることができます。
Zulip(ビジネスチャット)
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Zulipとは、OSSのチャットツールです。一般的なビジネスチャットツールと比較して、チャットの話題の管理方法に特徴があります。通常のチャットシステムの場合、グループに対して一つのルームでやり取りを行いますが、Zulipでは、ストリームという単位でチャットルームを管理します。この一つのストリームの中で、トピックとして話題に応じて会話のグループを作成することができます。 そのため、会話の整理や履歴の検索がしやすいのが特徴です。
ビジネスの場面ではメールによる情報伝達が主流ですが、短い用件をすぐ相手に伝えたいときは、Zulip のようなビジネスチャットツールを使うと便利です。例えば、プロジェクトの作業で不明点や問題点があったとき、メンバー同士でビジネスチャットを使うことで、問題の早期解決にも貢献します。ストリームで話題を管理することで、メンバー同士で話し合った内容を振り返りたいときもすぐ確認することが可能です。
Mattermost(ビジネスチャット)

Mattermostは、Mattermost社が開発を行ったOSSのビジネスチャットツールです。Slackライクな画面からメッセージをやり取りすることができるほか、プロジェクトのタスク管理やワークフローなどの機能も備わっています。また、クラウド型とオンプレミス型で利用形態が分かれており、用途や利用環境に合わせてプランを選択できるのも特徴です。
例えば、Mattermostでプロジェクト専用のチームを作成し、チャットをしながらタスクの共有や管理をすることで、業務をより円滑に進めることができます。また、ツールを使い分けたり、Excel等を使った手入力で進捗を管理する手間がなくなり、作業を効率よく進めることができます。
デージーネットの取り組み
システムの用途や利用人数によっては、OSSを利用することで、DX推進の障壁となる課題を解決できる場合があります。しかし、OSSの利用にはある程度の技術力が必要であったり、使い方を習得するまでに時間がかかったりすることもあります。また、アップデートやメンテナンス、ライセンスの管理などに手間がかかるなどの注意点もあります。
デージーネットでは、約150種類以上のOSSを取り扱っており、OSSを用いてお客様の要件に合った様々なシステムを構築してきた実績がございます。また、OSSに関する書籍の出版や、新しいソフトウェアの使い方や最新情報を調査し、マニュアルや無料でダウンロードできる調査報告書としてまとめています。なお、調査報告書はホームページから無料でダウンロードいただけます。導入事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
さらに、弊社でシステムを構築した方向けに、導入後も安心してシステムを使い続けられるよう、保守サービスも提供しています。ソフトウェアの使い方などに関するQ&A対応やセキュリティ情報の提供、障害時の原因調査や回避についてのサポートを行っています。
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DX化に役立つおすすめOSS
- コミュニケーション
- ここでは、Web会議やビジネスチャットなど、社内外のリアルタイムなコミュニケーション・情報共有を可能にするツールについて紹介します。
- タスク管理
- ここでは、個人やチームのタスクを視覚的に一元管理し、進捗状況を追跡するためのツールを紹介します。
- 業務効率化
- ここでは、繰り返し実施される作業の自動化や、ペーパーレス化を実現するツールついて紹介します。
- 情報共有
- ここでは、文書やファイル、ナレッジなどの情報を一元管理するためのツールについて紹介します。
- BIツール
- ここでは、BIツールについて紹介します。データを集計・分析・可視化することで、ビジネスにおける最適な意思決定を支援します。
DXに役立つOSSの関連情報一覧
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